ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその10-グライド・イン・ブルー

2012年01月28日 | アメリカ映画
アメリカンニューシネマの隠れた傑作

夢と希望と愛とそしてハッピーエンド。
今のアメリカの映画の特徴の一つである。
しかし1970年代にその風潮を一変する現象がおきる。
アーサーペン監督の「俺たちに明日はない」に代表される「アメリカンニューシネマ」台頭である。
そこには病める国アメリカの現状を舞台こそ変えながらもスクリーンに叩きつける作品が多く作られた。
「グライド・イン・ブルー」この映画もその一つである。
物語はアメリカの田舎で刑事になることを夢見ながら白バイ警官を続ける主人公ジョンが地元で起きた殺人事件に積極的に関与することから始まる。
彼の姿勢に好意をしめした刑事課が彼をこの事件の担当刑事として抜擢する。
夢かない刑事となった彼だったが....。
この映画の全編に流れるものは「絶望」である、夢も希望もない。
そして最後に彼は友人や全てを失い白バイ警官に戻る。
その彼を待っていたものはあまりにも残酷な現実だった。
アメリカ映画は1980年代からまた夢と希望とハッピーエンドの作品を量産し始める。
1970年代に作られたアメリカンニューシネマの他の傑作ともあわせて是非観ていただきたい一本である。
1973年公開