明日のためにその75-アウトレイジビヨンド

今後の作品に期待。

芸名ビートたけし、監督名北野武。
彼が映画の世界へ身を染めてから随分の年月が経った。
正直私は彼の映画があまり好きではなくヴェネツア映画祭で金獅子賞を受賞した「HANABI」も良い映画だと思っていない。
ただ「座頭市」だけは彼の真骨頂だと思い評価している。
今回紹介するのは「アウトレイジビヨンド」
全作「アウトレイジ」の続編である。
今作は前作から5年後のストーリー設定となっている。
出演する俳優も全作から変わりはない。
今回私が驚いたのは北野武監督の成長ぶりである。
この映画はとてもしっかりつくられている。
毎回彼の映画には「楽屋落ち」「ひとりよがり」的なシーンなどが多く映画を観るたびに食傷気味だった。
しかし今作にはそれが全く無い。
完全に映画監督になりきって映画を撮り上げている。
私は彼に対する評価を変えるべき作品を観たのだと思った。
海外では評価の高い監督であったが今作で名実ともに名監督の仲間入りをした記念的作品ではなかろうか。
（前述のとおり海外での評価の高さに比べて私としては質の良い作品は無いと思っていた）
呪縛的障害を乗り越えた彼は今後更に良い作品を作ってゆくのであろう。
私は飛び立った彼の後をしばらく追って行きたいと思っている。
2012年、日本製作、カラー112分、2012年日本公開、監督北野武。