この日は兄、両親、私の4人で作業。
義姉は風邪で休養(おそらく長期離脱になりそう)。
作業は、前回とほぼ同じで、花摘みと人工交配。
花摘みと表現するから優雅に聞こえるでしょうけれど、案外大変なんです。
↑花の大きさはソメイヨシノ程度。花が1分咲き〜7分咲程度までが摘み取り対象。樹上の花を摘み取る方法で、私が30分かけて収穫できたのはこの量。
手摘み(ハンドピック)で、なるべく花だけ(厳密にはガクに雄しべの先の葯が赤紫色に完熟する直前の状態)を摘みます。葉っぱや枝、その他カスが入らないほどよいとされます。
この量の花から採取できる花粉量(純花粉)は0.5グラムくらいかな?いや、もっと少ないかも。
↑兄、母、私の3人で1時間作業してこの量。
これを純花粉にまで精製すると、だいたい5グラム分あるかなあ?くらいの量です。
私の実家では毎年150グラムの純花粉を使うそうですから、気が遠くなるような作業量になります。
バラ科の果樹は、サクラ(バラ科)と同じように1度に開花する訳ではなく、同じ花の塊でも順々に開花するので摘み取りの適期は花ごとに違っています。
実家の農園では、崖の土留め代わりに花粉用品種を植えているので多少作業効率が悪いこともありますが、一部は枝ごと切って、即席のビニールハウスで促成栽培もします。
そちらは作業しやすいので、父が椅子に座りながら作業できるようにしています。
↑日本農業新聞4月6日の記事。
赤文字の「火傷病ショック」が当該記事で、千葉県市川市でボランティアを募って人手不足を補おうとしています。
4月5日のNHKニュースでも取り上げられていました。
兄によると、去年まで日本では中国産花粉を600キロ輸入していたそうですから、一斉に禁輸&国内に在庫であった輸入花粉の処分となり、そりゃあショックになるよねー、と。
でも耕作放棄されそうだった果樹園で、花粉専業の作付けを始めた果樹園も出てきているそうです。
でもねぇ、前述のとおり、花摘みだけでムチャクチャ手間がかかるし、そこから精製して純花粉を取り出す作業をやって、一体いくらで販売する気なのかなぁ?
それにすでに潜在需要が600キロだもの。
それを国産でどれだけカバーできるものなのかなぁ?
人件費を考えると、やはり人件費の安い第三国で作らないと間に合わなくないか?と。
それに大産地では、輸入花粉オンリーの生産者もたくさんいて、生花からの花粉採取自体経験したことがない生産者も多いそうです。
今年の収穫時期は、全国的な品不足にならないかとても気にかかるところです。
実家の農園では例年よりも多量の自家花粉採取をしなければなりません。
いつもなら、輸入花粉を少し使い、自家採取分の残りを冷凍保存して翌年に使ったりもしました。
今年は昨年の持ち越し分として輸入花粉を中心に冷凍保存していたのですが、全量処分のための回収に供出。
たまたま去年の自家採取分の保存量が少なめなんです。
だから貴重な花粉を大切に節約気味に使いながらも、来年への持ち越し分(保存用)も確保せねばなりません。
兄にはなかなか一息つく暇が無さそうで、彼の苦悩は続くンだなぁ、と思わずにはいられません。
次回も楽しくお手伝いしたいです。