引退を賭ける（小笠原道大）

小笠原道大は今、崖っぷちにいる。
小笠原といえば日本ハムで活躍し、06年にチームを日本一に導くとＦＡ宣言し巨人入り。07年以降４年連続で３割30本を打ち、巨人のリーグ３連覇（07～09年）に貢献した。生涯打率は.311。王さんが.301、長嶋さんが.305だから、いかにスゴイ打者かがわかる。

そんな小笠原がスランプに入ったのが2011年。この年から統一球が導入された影響も少なからずあるだろうが、バットスイングが鈍くなり、昨年は34試合の出場に留まり打率.152、ホームランはゼロに終わった。ポストシーズンでも活躍できず、オフには日本球界史上最大の３億6000万円ダウンの7000万円の提示を受けた。

キャンプは２軍スタート。だが素手で行っていた打撃練習中に折れたバットが直撃。左手人差し指裂傷で15針縫う大ケガをしてしまった。オープン戦は出ることができず、戦わずして開幕２軍スタートとなった。
２軍戦でも最初は結果が出なかったが、ここ最近、５戦連続安打と調子を上げてきたこともあり、19日の西武戦から１軍登録。

４回２死満塁、バッター藤村のところで代打として登場。ドームは大歓声に包まれ、舞台は整ったが、１ボール２ストライクからの西武の先発岸の低めのカーブに空振り三振。歓声はため息に変わった。

昨日の古巣・日本ハムとの試合でも代打で出場したが、武田勝のカーブを引っ掛け、ボテボテのファーストゴロ。ここまで結果は出ていない。

昨日は東京から札幌に移動し、即ゲームだったため休養の意味合いでＤＨには阿部が入ったが、今日は本職のキャッチャーとして出場するだろう。じゃあ、ＤＨはどうするか？相手の先発が右の木佐貫であるため、小笠原の起用が予想される。打順はおそらく８番か。

小笠原が守るファーストは新外国人のロペスが好調のため、今日の試合、22日からの仙台での楽天戦で結果を出さなければならない。もうすぐ、負傷離脱中の同じ左打者の由伸とボウカーも帰ってくる。小笠原にとっては引退を賭けた試合となりそうだ。

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