「それでも、生きてゆく」を見て

今季一番引き込まれているドラマが「それでも、生きてゆく」だ。

確かにテーマは非常に重い。見終わった後、「楽しかった」なんて思えない。それでも見ている最中は本当に引き込まれるドラマだ。50分がものすごく短く感じる。それは演じている役者の凄さによるところが大きい（もちろん脚本が秀逸なのかもしれないが）。

やっぱり大竹しのぶはすごい女優だ。バラエティで出演しているのを見ると、あまりの天然さに唖然とさせられるのだが…

娘を殺した犯人と対面して最初は平静を保つものの、奥に下がってブルブルと震える姿。その後、奥から出てきて最初は普通を装うも、鬼気迫る表情で犯人を問い詰める姿。どうやったらあそこまでの演技ができるのだろう？実生活で本当に子供を殺された経験があるんじゃないかと思うくらいの怪演だった。雑誌「ザ・テレビジョン」でやっているドラマ・アカデミー大賞の助演女優賞は彼女で決まりだろう。

ヒロインの満島ひかりもいい。朝ドラの「おひさま」では明るく破天荒なキャラだが、このドラマでは加害者の妹役で、まったく真逆のキャラを演じている。やはり役者はワンパターンではなく、いろんなタイプを演じないと一流とは言えない。

残念なのは、自分はいいドラマだと思うのだが、視聴率がイマイチなこと。初回こそは10.6％だったが、２回目以降は一桁視聴率が続く。25日の８話も８.８％だったそうだ。もっと多くの人が見てほしい。そして何かを感じてほしい。


別の方のブログでこのドラマを見て酒鬼薔薇聖斗は今どうしているのか？ちゃんと更生しているのか？といった趣旨のことを書いていたが、それはすごく気になる。彼だけではなく、未成年で重い罪を犯し、少年院等の施設に入った人間が、ちゃんと更生して出所したのだろうか？

連日のように痛ましい事件が怒り、犯人が逮捕されるが、「○○容疑者が逮捕されました。なお○○容疑者は以前、少年院に入っていた経験があります」とは報道されない。人権の問題もあるだろうが、被害者の人権はもちろん、平穏に暮らしている人の安全の事も考えてほしい。

とまあ、いろいろ考えさせられるドラマで、次の放送が待ち遠しい。


最後に福田麻由子ちゃん、大きくなったね。もう高２だって。こっちもおじさんになるわけだ。