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なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

いまこそ「小松左京」を読み直す

2020年10月09日 13時27分27秒 | 読書・地理地震
大規模自然災害、ウイルス・パンデミック、科学技術の進歩と限界…。
驚くべき精度で「現在」を予見したSF作家・小松左京。
「日本沈没」をはじめとする代表作を読み解きながら、戦後最大の知識人の洞察の淵源を探る


「ちょっと愉快じゃないかね?
私たちの、この巨大な宇宙が、前宇宙の、”雌の腹”から、快楽の絶頂を通じて、うみ出されたってイメージは」
『ゴルディアスの結び目』

「日本沈没」に小松左京が最初に付けたタイトルは
『日本滅亡~果てしなき流れの果てに・・・、出発の日』だった。
42歳
構想と執筆に9年を要した、文字通り満を持した大作だった。

当時最新の12桁の電卓を13万円で購入し、日本列島の重さを算出。
沈没するにはどれだけのエネルギーが必要かをはじきだしたという。

地震学、地質学、火山学、惑星科学から潜水工学、社会工学、政治学、文化人類学、民俗学まで、
幅広い領域の、当時としては最新の知見が随所に盛り込まれ、作者の博捜ぶりに舌を巻く。

「わしにいわせれば~~人間も植物も珊瑚も、みんな同じようなものだな。
とにかく突起があれば、それにまといつく」
「だが、日本が殲滅する場合も想定しておいたほうが、いいかもしれん。
場合によっては、日本がなくなってしまうことも」

「日本人は高度経済成長に酔い、浮かれていると思った。あの戦争で国土を失い、みんな死ぬ覚悟をしたはずなのに、その悲壮な気持ちを忘れて、何が世界に肩を並べる日本か、という気持ちが私の中に渦巻いていた。のんきに浮かれる日本人を、虚構の中とはいえ国を失う危機に直面させてみようと思って書き始めたのだった。日本人とは何か、日本とは何かを考え直してみたいとも強く思っていた」

「ハイハート」とはドイツ語でHeimatで家郷の意


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