ふらりとのれんをくぐり、酒を飲み、客や店の主人と笑顔で語らう-。TV番組「吉田類の酒場放浪記」で人気の著者が独特の感性で綴る、大人の味のエッセイ。『中央公論』掲載をまとめて単行本化。小泉信一の解題付き。
そんな向きには「山歩き」のおかげだと答えておく。
物の怪(もののけ)
日本一小さい面積の香川県
「火曜日はチューするデー。水曜日はウエニ乗るデー、木曜日は・・・」
どうやら下ネタ交じりの模様。
きれいだなあ
と おもっているうちに
もう ちりつくしてしまう
まいねんの ことだけれど
また おもう
いちどでも いい
ほめてあげられたらなあ・・・と
さくらの ことばで
さくらに そのまんかいを
まど・みちお「さくら」
散った桜には、もう一つのステージがある。
水面にたゆたう花筏(はないかだ)だ。
錦鯉が花びらを背負い、すいーっと花影に吸い込まれる。
産卵のために小樽湾に戻ってくる春告魚(ニシン)の群れを「群来(くき)」という。鰊
登山道での「こんにちは」は「さよなら」の挨拶でもある。
七倉岳(2590m)船窪小屋
麦焼酎「百年の孤独」
コロンビアの作家ガルシア・マルケスが書いた小説からとった銘柄名。
オーク樽熟成の麦焼酎だ。
天空を覆いつくした星が滴り落ちそうに輝く。
星々は氷の糸で結ばれて星座となったかのよう。
「ヨメトリグサ」→「錨草イカリソウ」
滋養強壮、子宝云々
知床・目梨郡羅臼町 相泊, 相泊温泉
「酔っ払いの神様降臨だよ!」
若山牧水の酒賛歌
「酒は心で噛みしめる味わいを持っており、味覚を与えるだけでなく心の栄養になって、弱っていた心も蘇る。」
「静けき酒は朝にこそあれ」と朝酒を賛美。さらに深夜の独酌をこよなく愛した。
「酔えば地獄か極楽か」
酒を節度なく飲めば、地獄と極楽の間を往き来する
「断酒は易く、節酒は難し」
魑魅魍魎(ちみもうりょう)
「だから毎日がお別れの酒、つまり立ち酒なんだよ」
出陣に際し、死を覚悟した武士(もののふ)が盃を交わすことを「立ち酒」という。
格別な美酒に限っては、酔っていても五臓六腑(ごぞうろっぷ)が共鳴する。
特攻隊の出撃時は「水杯(みずさかずき)」で別れの儀を行う。