雪が降って食べ物が取れないので
我が家のえさ台は大賑わい。今年もメジロが来てくれました。
よく、ウグイスだと思われているのですが、本物のウグイスは
恐ろしく地味な鳥なのです。
ホッとするだけの魔法「Qure!」(キュア)の使い方のはなし。
「Qure!」8
今日だって、魔法力の測定があったが彼のスコアはたったの十七だった。この魔法使いの能力測定技術が完成したのは三年ほど前、この船のエンジンを開発した機関長が、誰にも理解できない理論の論文をだし、興味を持った校長が第一号機を作らせた。
それにしてもユウヤの魔法力スコアはひどい。最初から何の努力もしないマリアだって九十はある。この船に乗っている生徒はだいたい百五十スコア程度。ダーレン先生は、タダの噂なのだが五百を超えていると言われている。それが、たったの十七とは、これなら普通のヒト族よりずっと下だ。
「ユウヤが、魔法学校に入っただけでも気に入らないよな」
「入学試験に魔法力測定器が出来ていなかったから入れたんだ。ラッキーなやつ」
ユウヤは気が小さく、こんな言葉を聞くたびに心がキューっと痛むのだ。胃はいつでもキリキリと痛んだ。皮肉なことに、そんなユウヤの両親は同級生が皆知っているほどの偉大な魔法使いなのだ。
「あっ、いけない。部屋に筆箱を忘れた。」
マリアが小さな音で右手の指を鳴らす。
「パチッ。魔法ってこれだけでも便利だわー」
自分の所持品ならこれだけで簡単に取り寄せられる。こんな初歩的な小さな魔法も、ユウヤにはなかなか出来るようにならないのだ。