メジロはいつもつがいでやってくるなあ。お互いに見つめ合うことは
ほとんど無くて、見張りのつもりなのか正反対を向いていることが多い。
ホッとする注目場所を決めるとき、だいたいこのあたり、と決めるわけじゃない
本当にピンポイント。この不思議な能力で職人さんも精密に仕事が出来る。
「Qure!」 18
ついつい眠れずに朝方までテト吉との会話を何度も反芻して思い出していた。
「僕にも出来ることがあったんだ。よし、今日、またあの倉庫に行ってみよう」
ユウヤの魔法
魔法教室の授業を終えて、寝不足のままユウヤは昨日テト吉と話した倉庫に
向かった。今週はずっと今のシフトだから、毎日同じ時間に自由になる。
到着してみるとテト吉がいない。座って待つ間にすやすやと眠りこけてしまった。
「ユウヤ、昨日のつづきを話すよ。そのまま寝ていてくれていい。 ほひ!」
「君が本来持っている精霊の力を発揮できないのは、脳がコウフンしている
からなんだ。 ほひ!」
「魔法はどれも自然の力に働きかけて、そのエネルギーの向きを変えたり
、形を変えたりするんだけど、そのためにはまず、自然と一体だったときの
子供のユウヤでいなければいけない。 ほひ!」
「そんなふうに自然と同調するには、脳の働きを抑えないといけないんだ。
出来るだけ頭で考えないで ほひ!」