だいたい12年前にもこんな大雪が降ったと思い出しました。
どこもかしこも白一色の世界。日が当たるとぎらぎらすごい光線
雪かきを終えて家に入ると目の前が真っ暗で、なんにも見えない。
普段はこういう太陽の光を全体で吸収しているんでしょうね。
ホッとするだけの魔法のはなし。やっと主人公の紹介です。
「Qure!」7
この実習に参加出来たのも、両親の友人であるダーレン先生が強く推して
くれたためで、足りない魔法力は高級な杖を両親から譲り受けて、何とか
権利を得た。乗船した時点ではユウヤが最後まで付いてこられるとも誰一人
思っていなかったほど、授業中も寝ているだけ、なんの魔法も出来るようになっていない。
今日だって、魔法力の測定があったが彼のスコアはたったの十七だった。
この魔法使いの能力測定技術が完成したのは三年ほど前、この船のエンジンを
開発した機関長が、誰にも理解できない理論の論文をだし、
興味を持った校長が第一号機を作らせた。
それにしてもユウヤの魔法力スコアはひどい。最初から何の努力もしない
マリアだって九十はある。この船に乗っている生徒はだいたい百五十スコア程度。
ダーレン先生は、タダの噂なのだが五百を超えていると言われている。
それが、たったの十七とは、これなら普通のヒト族よりずっと下だ。
「ユウヤが、魔法学校に入っただけでも気に入らないよな」
「入学試験に魔法力測定器が出来ていなかったから入れたんだ。
ラッキーなやつ」
ユウヤは気が小さく、こんな言葉を聞くたびに心がキューっと痛むのだ。
胃はいつでもキリキリと痛んだ。皮肉なことに、そんなユウヤの両親は
同級生が皆知っているほどの偉大な魔法使いなのだ。