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「どっちが楽?」
「う~ん・・・こっち!」
たったこれだけですべてが変わる。

暗いテントの出口はこっち

2014-06-03 | メンタルケアと 治療法の訓練


 子供の僕はとことん心を病んでいた。脳腫瘍の診断で外科手術の日程まで決まっていた。

そんな中で、例えれば絶望の遮光テントの中から見回しても出口がどこにも

みえない。中から出てきたあと、明るい世界の真ん中にテントがあったことに気づける。

 でも、会社で八方ふさがりの時、将来を思うとへなへなと座り込むような時、

ドアを開けて外に出ようとしても恐怖で足がすくむとき。僕が住んでいたのと同じ

テントの中にいるんだと思う。

 さあ、どこかに出口を見つけなきゃ困るけど、状況を変えないと感情が楽にならない

と信じていたら無理。自分で作ったテントを外から明けてくれる人は絶対に現れない。

 でも、僕は見つけた。これが「取るに足らないような小さな事」だから誰も気づかない

特に、テントの外から見ていて「こうしたらいいんじゃない?」と外側の論理で見つけようと

しても絶対に見つからない、世の中で一番つまらなそうなその方法とは

 
   「どっちが楽?」  「じゃあ、こっち」


 これを繰り返すだけ。正確に、慎重に繰り返せば自分のなかから出口や開け方が湧き上がって

くるという「ひらけ!ゴマ」 の本物版。

僕は40年かけてやっと対面での説明のしかたがわかった。ブログで正確に伝えるのは無理だと思う。

すべての人が救われる呪文だというのに、「言葉」だけでは多分伝えられない。なぜか。


そもそも人が感情の問題を解決できないのは「言葉」を使っているからだと思う。人によって印象が

正反対になってることが当たり前なのに、「正しい意味」を伝えられると思っている。そのせいだ。

言葉のパズルが面白いから、いつの間にか解けないパズルに挑戦し続ける過程にありがたさを感じる

ようになった。途中で部分的に言葉巧みな人は最終的な答えを知っているに違いないと、

どこかで誤解してしまったんだ。


 正解は

「言葉を使っていたら解けない」


もしかしたら、メンタルのトラブルはそもそも「言葉」という記号のせいかもしれない。

真っ暗なテントの出口が見えないのも言葉で考えて解決しようとしているせいだ。


「文字が読めるようになる前には精神病は無かった」と誰かに聞いたことがあった。本当だと思う。




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