リーマンの鯉釣り日記

鯉釣りを始めて、もうかれこれ40年、鯉釣りが好きなんですと言える気持ちを持ち続けていたいです。

鯉の恩返し?最終章

2016年03月25日 | 佐奈川
再度ボートでの探索の日。水浸しのブーツも乾いて、天気も少し風がある程度で前回よりは状況は良いかと思われます。しかし、気持ち的にはもう無理かと半分諦めています。それにしても、鯉はどこ迄引っ張っていったのか?そんなに遠く迄行っているとはどうしても考えられません。一番考えられることとしては、釣り座からそう遠くない水中に有るものの、濁り水の影響で,泥をかぶって殆ど目視できない状況で、したがって、釣り座から下流に向かって20m~30mくらいの範囲が一番可能性があると自分では考えています。ハリ掛かりした瞬間に鯉が走ったものの,リールの付いた竿が水中に引き込まれて,暫く走るものの,重さで一旦底に沈んだならば,リールや竿が川底にある状況で、それを引っ張ってまた走り出すとは考えにくく,その時点で道糸なり,ハリスが切れると考えられます。

しかし、私のこの予想は大きく外れることになります。さて、釣り場に着き、ボートを降ろすために駐車場に車を止めて、まず川面を眺めます。少し風はあるものの、前回よりは風は弱く、穏やかな天気ですが,前回水浸しになったこともあり、意欲はあまり起こって来ません。まず、陸上から目視できる範囲をと、右岸の釣り座の近くから偏光グラスをメガネに着け、下流に向けて歩きながら見て行きます。100m以上歩いて行ける範囲、ブッシュでそれ以上行けないところ迄歩きながら目視して行きますが,微かな期待にも拘らず、当然とは言え見つけることはできません。そして、こんどはまた上流の釣り座まで逆に歩きながら見て行きますが,見つけることはできません。

次に鯉が上流に走る可能性もあるので、釣り座から50mほど上流にある橋のところ迄見て歩きます,そして橋の上から川面を下流に向かって眺めるも見つけることはできません。

次に反対側の左岸から見てみようと、橋を渡って左岸から眺めることに.しかし、左岸からは川面迄は距離が有り,太陽の光線の水への反射で、特に釣り座近くは殆ど見えません。前回迄もこの左岸からは2度程眺めて来ましたが,期待薄です。左岸のちょうど橋から150m程下流に水門が有り、そこは岸近く迄コンクリートの護岸なので、水際に近づけるのですが、左岸の釣り座からは70~80m下流で底も十分目視できるくらい浅くなっています。前回は水も濁っていた岸から5m程しか目視できなかったのですが、今回はもう少し岸から10m程まで目視できます。水門の廻りから水際に沿って20mくらいは歩いて行けます。その先はブッシュになっていて茨が繁茂しているので歩けません。コンクリートの斜面を,足下の蔦を踏みながら上流に向かって歩きながら水中を見て行きます。

ちょうど蔦が繁茂していてそれを避けるように少し斜面を上がって再度水中を眺めようと足下の蔦のところを見た瞬間その蔦の上にです!竿にリールが付いた私の失われたタックルが水中ではなく完全に陸上に、コンクリートの斜面の岸に沿った形て、若干穂先が水中に向けた状態で、泥をかぶったのか黒い表面が白く変色したような色であるのです!。一瞬誰かが引き上げてくれたのか?と我が目を疑います。暫し絶句(尤も誰とも話しはしていない状況なのですが)。どうして陸上に有るのか?と疑いつつも現実を受け入れて竿を手に取ります。道糸が切られています。

少しずつ冷静にこの状況を分析してみるに、鯉がこの地点近く迄タックルを引っ張って来て何か草等に道糸等が絡み更に走り出した時、岸から沖に向きを変えた時に竿が水中から陸上に持ち上げられて、そこで道糸が切れたと考えられます。この地点は対岸の釣りから約70~80m下流にあたります。距離的には考えられる範囲ではありますが、何せ陸上に竿があるとは全く想像だにできません。皆さんは想像できたでしょうか。しかも、この発見したポイントは前回も歩いているポイントでその時は見つけられなかったのです。前回もこのポイントにあったものの、私が見つけられなかったのか,その時点ではまだここにはなかったのか、それははっきりしませんが。現実を受け入れながらも不思議な光景です。ハリ掛かりした鯉が逃げようと必至で動き回った結果では有りますが、とにかくタックルが回収され一安心です。最も鯉はハリを付けたままなので気の毒な気がしています。できることならもう一度今度は釣り上げてハリを外してやろうと考えています。私的には,鯉がタックルを返してくれたとしか思えない状況なので,そう考えることで鯉への恩返しになるかと。

長年、鯉釣りをしていますが。30年以上のキャリアの中でも初めての出来事です。鯉もタックルだけは返したやろうと思ってくれたのかも知れません。ふと空を見上げると春の優しい陽射し、産卵を控えた鯉が今にも遡上して来そうな川面には水鳥が何も無かったようにゆっくり泳いでいます。春爛漫も近い岸辺には黄色いタンポポも顔を出しています。泥に汚れたタックルを時間をかけてゆっくり綺麗にしてまた新たな気持ちで釣りできるかなとその場を後にしました.完。

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