秋に入り、コロナ禍も少しづつ克服される中で、鯉釣りの大会も開催されつつありますが、今から30年以上前に初めて琵琶湖大会を開催した頃を思い出します。丁度鯉釣り協会を立ち上げようという機運の中で、とりあえず西日本の鯉釣りのクラブ等に参加を呼びかけ、解釣りの普及を目指して、岐阜のT氏、滋賀のK氏、大阪のK氏と話し合いながらの大会でした。琵琶湖という日本の中心の湖で親睦を兼ねて、少しづつ鯉釣りを普及することを主眼にその大会は行われました。今年で、35回目だと聞きます。果たして、その初期の目的は実現されているのでしょうか。目的にための一つの手段が大会でしたが、手段が目的化されることはよくあることですが、どうでしょうか。
2回目以降は地元のクラブの方を中心に大会も開催されるのがいいということで、その後は直接関わりがなくなりましたが、鯉釣りの普及のために今後も継続されていくことを期待しています。
昨今のコロナ禍のなかで、それも徐々に克服されつつ中で、いろいろな鯉釣り大会も開催されつつあり、それを楽しみにされているアングラーも多いかと思います。
振り返って、大阪のK氏がネット時代の先駆けとして、インターネット鯉釣り選手権大会を開催されたことは、今のネット時代を考えるとその発想に敬意を払うこの頃です。鯉を直に検量所に運んでの検量というシステムから、画像とパスワードによる参加という今の大会の先駆けともいうべきシステムは他の釣りと比較しても先駆的と言えると思います。
さて、鯉釣りとカープフィシング というスタイルの違いはあれ、鯉を大切に扱うという視点でも、改良が加えられていると思います。以前はロープをエラに通してキープいたものが、ライフバッグとアンフッキングマットの活用でさらに鯉に優しく、検量場に持ち運ばないことで、さらに優しくなり、鯉釣りの意識の向上が確実に見られています。
釣りという文化の中で、針を魚の口に刺すという行為を避けることはできませんが、それ以外ではなるべく鯉に優しくあるべきであるという、そんな意識の向上は鯉釣りの普及とその質の向上という点でも今後も大切にしていきたいものです。一部のアングラーのマナーの悪さがその釣りそのものの評価に繋がりかねない中で、少なくとも自分の釣行では意識したいものです。
人の行為を批判するのは容易いこの頃ですが、自らのマナーの向上はなかなか難しいものですね。私も日々反省することが多いのです。最近心がけていることは、初心に帰って、落ちているゴミを拾うことです。
最近は田舎の野池では釣り禁止のところが急激に増えています。私の住んでいる三重の田舎でも、然りです。その多くの原因はバスマンのマナーによるところが実際に聞くところです。ですから、釣り禁止ではなく、正確に言えばバス釣り禁止なのです。あくまで私の地元での話ですが、他でも大差はないと思います。 実際には鯉釣り人口は少ないので、そうかもしれませんが、鯉釣り人口が多くなれば同じようになる可能性もあります。バスマンが捨てたゴミであっても拾ってあげることで、鯉釣りのレベルの高さを示したいものです。また、その人の鯉釣りのレベルの高さを釣果だけでなく、意外にそんなその人のマナーや鯉釣りスタイルに示されるのではないでしょうか。長年やっているからと言って、済まされる問題ではなく、自戒を込めて自らのレベルを上げていきたいものです。