18の4『世界と人間の歴史・世界篇』生物たちの進化(両生類、ほ乳類、鳥類の出現など)
さて、生物たちのその後はどうであったのだろうか。海に展開した生物たちの一部は、やがて陸へ上がっていく。両生類は、およそ3億7000万年前から4億年前にかけて出現したという。およそ2億4000万年前にさしかかると、かれらの中から哺乳類が出現してくる。
それでは、鳥類の起源はどのあたりであろうか。こちらは、元はといえば、恐竜の一種であったというのが、通説となっているようだ。その時期は、一説には、1億5000万年くらいからではなかったかという。そのばあいにも、いろいろな語られ方がなされていて、たとえばこうある。
「(ニューヨーク19日=ニューヨーク・タイムズ特約)背中と横腹に羽毛のような毛の跡があり、鳥の遠い祖先ともみられる恐竜の化石が中国で発掘され、十八日、ニューヨーク国立自然史博物館で開かれた脊椎動物学会で発表された。
発表したのは、カナダ・アルバータ州にあるティレル古生物博物館のフィリップ・カリー博士と、北京大学地質学部のチェン・ペイジ博士。
カリー博士によると、この恐竜の体長は約90センチで、ジュラ紀後期(約1億6200万年前~約1億4300万前)に生息した肉食の細あご竜の仲間とみられる。8月に中国遼寧省の村で農夫が見つけた。
カリー博士が会場で示した化石の写真では、羽毛のようなものが恐竜の脊椎にそって頭から尾の端まで続いている。わき腹にも同じような毛が広がっている。鋭い歯と長い後ろ脚をもち、小動物などを狩るのに適しているように見える。
「保温のための毛のように見える。飛ぶための羽毛のような、空力学的な特徴は備えていない」とカリー博士はいう。写真を見た専門家の多くは「鳥類が恐竜から進化したことを示す貴重な証拠だ」と話す。」(朝日新聞、1996年10月26日付け)
ここに言われるのは、鳥の遠い祖先ではないかという程度のことなのだが、それでも、その羽毛から彼らの翼が発達していったと、想像をたくましくすると、学者の目にはその飛翔にいたる道筋が見えてくるのであろうか。
この特徴がある種に突然変異で発生し、その種が生き残ることで、羽をもつグループが増えていったという。そうであるなら、その一方でそのグループが抱えていく課題は何であったのだろうか。
(続く)
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