〇山本博文(やまもとひろふみ)氏の著作に学ぶ(とりあえずの覚書・2020.5.31草稿)
歴史家というのは、今の日本の世の中では、どちらかというと、地味な部類に入るのだろうか。ここでの念頭にある山本氏といえば、テレビでの「知恵泉」(NHK教育)などにコメンテーター、解説者などでよく出演されていた。
日本の近世史の重鎮としての話を聞けることから、ありがたかった。その割には、淡々とした口調にして、しかも丁寧、含蓄のある内容で、「流石だなあ」との思いを抱くことしきりであった。
古今の言葉にあやかると、柔らかさを備えている前提での「剛毅朴訥(ごうきぼくとつ)仁にちかし」という辺りだろうか。お会いしたことはないので、その限りでの印象を記すと、広大な底辺をうかがわせる知識とそれにまつわる風格、あえて言うと、「古武士」の感さえもが漂う。まるで偉ぶるところがない、今時、めずらしい人物ではないかと。
たまに津山の町中の出身の妻と、ふたりして新聞のテレビ案内で氏にまつわる記事を見つけると、昼間から夜での視聴をと、期待に胸を膨らませていた。これには、同郷にして今は埼玉の居住ということでも、親近感が湧いてきていたようだ。ちなみに、同氏の監修本の中には、埼玉の歴史散歩のような風変わりなものもあるところだ。
そして昨日は、地元のショッピングセンターの一角にある書店で、二冊の新書本を購入した。一つは、「「忠臣蔵」の決算書」(2012年11月発行)であって、映像化もなされていると聞くのだが、だとすれば、皆さんは鑑賞されたであろうか。いま一つは、「「関ケ原」の決算書」(2020年4月20日発行)であって、こちらは氏の最新作にして、病床にて完成への手を入れられたとのことであり、渾身の力をふるわれたのではないだろうか。
それから、故郷の岡山との関わりについては、私の手もとの郷土資料(ちらしなども含めて、ささやかながら)の中にも、時折、登場されていることから、その折の催しに参加され、講演会などを体験された方も少なくないのではないだろうか。以上の二つは、いま拾い読みさせてもらっているところなのだが、これから、ありがたく熟読させていただこうと思っている。(つづく)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆