サラ☆の物語な毎日とハル文庫

猫とゴマダラチョウ

 

大切な飼い猫が死んで、心の中で泣いていた一昨日のこと。

一週間、雨が降り続いたあとで

久しぶりにおひさまが照ったものだから

洗濯ものを干していた。

 

そうしたら、どこからともなく蝶があらわれて

わたしの周りを飛び回り、なんとまあ、

洗濯ものを持ったわたしの二の腕にとまったのだ。

 

黒い翅に白い模様。

あとで調べたらゴマダラチョウらしい。

 

私の目から20センチのところに蝶がいる。 

その蝶は、ゆっくり翅を上下させ、

ぐるぐる渦巻いた口吻を静かに伸ばして、また巻き込んだ。

目の前のいるのだから、よく見える。

 

それからふっと飛び立つとわたしの周りをヒラヒラしてから、

屋根のうえに飛んで行った。

 

その時間はほんの30秒ぐらいだと思う。

ありえないと不思議に思った。

花畑にいるわけでもないのに、一匹の蝶があらわれて、腕に止まって

しばしくつろいで、飛び去る

 

きっとあの蝶は、亡くなったピッポからの挨拶じゃないかな。

すぐにそう思った。

姿はもうないけれど、わたしはここにいるのよ。元気だしてね。

そういう知らせじゃないかな。

 

そう考えると、すごくうれしくなった。

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