サラ☆の物語な毎日とハル文庫

角野栄子さんが〝魔女〟について語っている

 
 
 
2018年の国際アンデルセン賞を受賞したのは、角野栄子さんだった。
角野栄子さんといえば、ジブリアニメの『魔女の宅急便』の原作者。
順番が逆だろうって?
スミマセン。
あまりに映画館で見た『魔女の宅急便』の印象が強すぎるから。
荒井由美の「やさしさに包まれたなら」や「ルージュの伝言」とかが流れて
ものすごくワクワクした。
あとで原作も読みました。
 
 その角野栄子さんが「半分、青い。」のあとの「アサイチ」に出てらしたので、
そのままウォッチング。
 
魔女について研究されているとかで、やさしくそのさわりを話してくださっていた。
以下は、その内容。 
 
 
 
魔女とはもともとは、「見えない世界」を見て、
今わたしたちがいる「こっちの世界」とつなげている人。
歴史のなかで「魔女裁判」が行われたりするのは、ずっとあとのこと。
本来、魔女は「おかあさん」だといわれている。
 
 
家族を守るために、香りのいい草をお茶にしたり、
枕にしたりというところからはじまったのだ。
厳しい自然のなかで、家族が健やかに過ごせるように。
そうじゃなくても、子どもを産んでも、新生児死亡率が高い時代だから、
できるだけ自分の家族を守ろうと、おかあさんは自然と対話するのだ。
 
 
 で、自然のなかに、元気にしてくれる力があるものがある。 
 だって木は、枯れても春になれば芽吹くじゃない。
一旦死んでもね。 
だからそういう力を、自分の子どものなかに入れてあげたい。 
そういうふうに思う女の人の気持ちから、
薬草とかそういうものが生まれてきたと言われている。 
 
 
おとうさんは狩猟にでかける。 
おとうさんも危険がいっぱいだから、丈夫で元気でいられるような食糧を、
食べ物とかお茶とかを持たせた。 
で、そういう不思議なお茶をつくれる人は、
「わたしの悩みを聞いてくれるひと」かもしれないというふうに、だっだんなっていく。 
だから魔女は占いをしたり、お産婆さんとし働いたり、
それから歴史のゆがみのなかで翻弄されていくんのだ。 
 
 
なるほど、すごく納得がいく。
 
 
 角野さんが教えてくれた魔女から思い浮かぶのは、
ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』。 
主人公のファデットを引き取って育ててくれたのは、
まさにそういう魔女のお祖母さんだった。 
ファデットも、お祖母さんから仕込まれ、薬草の使い方やもろもろを学んでいる。 
「魔女」とは言ってないけど、 なるほどそういうのも、魔女のくくりに入るのだ!! 
 
 
そして、限られたわたしの知り合いの中にも、そういう人がいるぞっ。 
自然療法を提唱しておられる東条百合子さん。 
仕事をご一緒させていただいたことがあり、「すごいっ」と思った記憶がある。
(すっかり忘れられてるかもしれないので、
知り合いというより「知り」と言ったほうが適切かも。) 
まさしく、薬草やビワの葉温灸などの自然の療法で健康を説いておられる。 
大正14年生まれで、いまも現役でご活躍。 
考えてみれば、まさに魔女の風格だった。 
一歩も二歩も下がってお話を聞いたのだった。 
 
 
角野さんが説かれる魔女と、ハリー・ポッターの魔女とは少し違うかも。 
でも、そういう魔女なら、身近に一人いてほしい。
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