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いつもいっしょに映画を見るダンナさまは忙しい。
仕事先の同僚と行く予定にしていたが、当日急なミーティングが入ったとかでドタキャン。
そこで、ジャーン! わたしにチケットが回ってきました。なんと悪運が強い日。
一昨日、銀座ガスホールで夜6時半から上映されたのは『ヴェラ・ドレイク』。
『秘密と嘘』のマイク・リー監督。『恋に落ちたシェークスピア』で乳母役を演じていたイメルダ・スタウトンが主演です。
ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞したのをはじめ、14もの主演女優賞をこの映画でもらったそうです。
舞台は1950年のロンドン。
家族を大切にし、近隣の人たちにも善意の思いやりを尽くすヴェラは(ヴェラ・ドレイクは、スタウトンが演じる中年の主婦の名前です)、夫にも打ち明けていない秘密があった…、とチラシには大げさなぼかしが。
要は、当時避妊の知識も器具もなかった時代背景の中で、心ならずも妊娠して困り果てている娘たちに、堕胎の処置を施していたということです。
中絶法で、イギリスでは重大な犯罪に当たるらしい。
けっきょく、堕胎の処置が警察の知るところとなり、ヴェラは逮捕されます。
ミステリーでもないから結末をいうと、ヴェラは刑務所で刑に服しており、残された家族は、暗い気分に打ちのめされたまま、夕食をとっている情景でend。
ああ、その終わり方は何なんでしょうか?
スタウトンの超うまい演技と、家族の結びつきの温かさで、ぜんぜん飽きない内容ではありましたが、もうちょっと、その後について展開してくれてもいいじゃないか。
余韻ったってねぇ、と思ったのです。
まあ、久しぶりに見た映画だし、面白かったからよかったのですが、結末だけは、なんだか少し蹴っ飛ばしたくなったのでした。
(写真は配給元、東京テアトルが配布したチラシ
詳しい内容が知りたい人は http://www.veradrake.net/ )