友人がチケットをとってくれたので
11月に赤坂アクトシアターで「No.9──不滅の旋律」を観た。
うーん、元スマップのゴローちゃんの芝居ねぇ…
相手役には剛力彩芽。
どうだろうねぇ。
なんてちょっと斜め15度くらいに構えて観に行った。
脚本が劇団☆新感線の座付き脚本家の中島かずきだし、
音楽監督は三宅純でスタッフは万全。
面白くないわけないか、とも思ったり。
期待は見事に裏切られ、というか見事に超えられ
ベートーベンの美しいメロディが記憶に残るなかなかいい芝居だった!
脚本がしっかりしている。
聴力を失ったベートーベンの心象がきちんと描かれ、
ストーリーに引き込まれる。
舞台の使いまわしがスピード感があっていい。
群衆の動きに時代背景が反映され、
通り過ぎるだけの人でも、(あたりまえだけど)しっかり演技している。
運出の白井晃さんがていねいに芝居を仕上げたんだな。
そして、舞台の両袖にピアノとピアニストが配され、
ベートーベンの選りすぐりの美しいメロディを
BGMとして奏でる。
「月光かな…」「悲壮かな…」…
ときおり、知っている旋律が聞こえてきて嬉しくなる。
こんな美しいメロディをベートーベンは作曲していたのだと
あらためて感動する。
きっとオペラとかに出演するプロの声楽の人たちが
群衆を演じているのだと思う。
かれらが合唱する「歓喜の歌」の力強さ。
いまでも耳に鳴り響いている。
剛力彩芽の立ち姿は、なんといっても群を抜いて美しい。
というあれやこれやの要素が重なって、
観終ったあとに「いい芝居を観た」ときの醍醐味が
しっかり残ったというわけ。
ゴローちゃんもしっかり演じている。
再演のチケットがあったら、また観たいと思えるいい芝居だった。