サラ☆の物語な毎日とハル文庫

アーサー・ランサム②~ようこそ、冒険と笑いと輝きに満ちた永遠の夏休みへ!

 

4月21日の記事の続き!!

児童文学が好きすぎて
作家の自伝を読んだり、本そのものを読み返したり。

そうやって、アーサー・ランサムについて、少しまとめようとした去年の試み。
そのまとめるのが楽しかったり。

せっかくなのでブログにアップ。

何度も言うようだけど、

書いている間は、とても楽しいのだけれど、

人にも同じように楽しんでもらうのは、ホントにむずかしい。

 



●オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ 

 

ランサム・サーガの第一巻目『ツバメ号とアマゾン号』の冒頭で、

ウォーカー家の四人の子どもたち、

ジョン、スーザン、ティティ、ロジャは、

父親からの返事を待ち焦がれている。

湖に浮かぶ無人島で、子どもたちだけでキャンプをしたい

という手紙を送ったのだ。

その返事がやっときた。

電報である。

(この物語が書かれた当時は、

急ぎの用事は電報でやり取りしたらしい。

電話はまだ、ほとんどと言っていいほど

普及していない時代のお話。)

 

さて、その電報に書いてあった文面は、

「オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ」

というもの。

「のろま」でなければ…!

やっていいことと、やるべきではないことをちゃんと見極め、

自分の置かれた状況を把握しすばやく行動するならば、

危険はないはずだ。

 

つまり電報の意味するところは、

子どもたちだけでキャンプをしてもいいとお許し。

 

一番下のロジャは七歳。

一番上のジョンはたぶん十二歳

(日本で言えば中学生一年生)ぐらいだと思う。

 

それが、茶色の帆のついた四メートルの長さのヨットを

自分たちで帆走させ、無人島に上陸するというのだ。

そして、何日間も子どもだけでキャンプを張る。

 

そういう冒険が許されること自体がすごいと思う。

身近な大人のいない、自分たちだけの冒険の世界。

なんてワクワクする気分だろうな、

と想像するのだ。

 

こうしてウォーカー家4兄弟の休暇ごとの冒険物語が始まります。
12冊、本が出ているから12個の休暇。
作家の上橋菜穂子さんは、アーサー・ランサムについて、こんなことを書いています。
「ほんとだよなー」と納得!!

ランサムは「休暇」というものがもつ光りを、おおらかに、まっすぐに描いている。休暇というもの──楽しさというもの──が、いかに人の生を豊かにするか知っていて、しっかりと腰を据えて、その光りだけをくっきりと描きだすことに専念している。だからこそ、読者は、余計な雑音に煩わされることなく思いっきり物語に没入し、物語をくぐりぬけた後には、夕立の後の青空を見上げているような、清々しさを感じることができるのだ。

 

コメント一覧

marupippo
全集は子どものときに読んだっきりで、今回は岩波少年文庫で読みました。同じ神宮輝夫さんの翻訳なので、それほど違和感はありません。
でも、自分が最初に読んだ翻訳が、馴染みがあっていい、というのはよくわかります。
私は「赤毛のアン」シリーズは村岡花子さんの翻訳が好きですが、最近たくさんの方が新訳を出されています。
言葉の選択は違っていていい、とわかってはいるけれど、なかなか馴染めなくて。
sd
岩波少年文庫の新約では昔の全集版にくらべて大幅に言葉が変わっていますね。 昔の「土人」ということばはさすがに問題ありすぎで、「原住民」に変えたのは当然だと思いますが・・・。間切るをタック、屋形船をハウスボート、etcとカタカナのオンパレードにしたのはいかがなものでしょうか? また原文のdispatchを「ウナ電」から「至急電報」に変えたのもやはり時代の流れでしかたなかったですかね。 私は好きだったのですが。
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