電卓のすすめ21 からの続きです。
最小二乗法は、本当に便利な計算方法です。
最小二乗法を調べるとネットでも書物でも難しいことが書かれています。
私は「複数の数値データから、その関連性を調べて数値を推測できる魔法の計算方法」
だと思っています。
当たらずといえども遠からずではないでしょうか。
回帰計算(回帰分析)ができる関数電卓では、この計算が簡単にできるのです。
そして、1,500円以上の関数電卓であれば、最小二乗法を使った回帰計算できる機種がほとんどです。
関数電卓、ほんとうに安価になりましたね。
最小二乗法が、こんなことにも使えるという例を二つほど。
【設問1】
ある商品に定価をつけて売り出したが売れなかったので、割引して売ることになった。
定価の2割引で売ると4,600円の利益があり、3割5分引きで売ると2,600円の損失が出るという。
1,000円の利益を出すためには、定価の何%引きで売ればよいか。
(永岡書店:大人に役立つ算数の時間 売買算より ※現在は絶版)
愛用している古い関数電卓EL-566では
「2割引きでは4600円、3割5分引きでは-2600円」と入力します。
[CD]0.8,4600[DATA]0.65,-2600[DATA]
※[CD]はクリアデータ
「1,000円では?」と入力します。
1000[x'] [0.725]
※[数字]は電卓の画面表示
72.5%で売ると1,000円の利益が出るということです。
つまり1-0.725[=] [0.275]
27.5%引きで売れば良いということになります。
ここで
[a] [-33800]
[b] [48000]
aとbの値を調べると-33800、48000と表示されますが
この商品の仕入価格が33,800円で定価が48,000円ということまでわかります。
これを応用すると経営分析にも使えます。
元金均等返済のとき
1回目の返済額は17,917円で60回目の返済額は16,688円です。
18回目と30回目の返済額はいくらでしょう。
続いて元金均等返済で試してみます。
借入額100万円、利息1.5%、5年返済の計算となります。
EL-566では
「1回目は17,917円、60回目は16,688円」と入力します。
[CD]1,17917[DATA]60,16688[DATA]
続いて
「18回目と30回目は?」
18[y'] [17562.88136]
30[y'] [17312.91525]
元金均等返済のシミュレーションで計算すると18回目は17,563円です。
30回目は17,313円ですので、ぴったり当ています。
1回目と最後のデータを打ち込んだだけで簡単に計算できてしまいました。
機種によって操作手順が異なる
回帰計算はメーカーが一緒でも機種によって操作が違ってきますが、考え方は一緒です。
是非試してみてください。
続編、文具の木の実もご覧ください。
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