
社会的にも大成功し、人間的にもすばらしいと思っている方に出会っても、やおらタバコを取り出されるととてもさみしくなる。社会的地位を得て、これから人生の収穫の時期に入る人達なのだ。60歳過ぎまでニコンチンの呪縛から解放されることなく過ごし、なにか体の変調にきづいてからやっと禁煙に至るが、多くの場合タバコの蓄積毒性に体が耐ええる限界を超えており、肺がんなどの色々な病気が姿を現すのを怯えながら待ちつつ事態となる。
禁煙はいつから始めても正しいと言えるが、やはり確実な効果を表す時期を過ぎてしまうと手遅れの場合が多い。「この一本、この一本が、癌貯金」と唱えると、案外すっきりとタバコと手をきれるかもしれない。(無煙世代を育てる会代表 平間敬文医師)