◎生活習慣病の予防は禁煙から/金上病院(角田市)副院長・安藤由紀子さん
<老化早く短命>
たばこの煙には5300種類以上の化学物質が含まれています。そのうち200種類以上が有害物質、70種類以上は発がん物質です。毎日20本、30年間たばこを吸った人の肺を見ると、タールやすすで真っ黒になっていて、肺の組織はぼろぼろに壊れています。また、たばこは肺だけでなく全身を侵し、多くのがんや生活習慣病、各種疾患に関与しています。喫煙者は非喫煙者に比べて老化が早く、寿命が短くなっています。たばこによって奪われる命の数は非常に大きく、2000年には全世界で480万人に達しました。日本人の死因の上位4位(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)全てに喫煙が関与しています。たばこの煙に含まれる有害物質は血管を詰まらせ、脳卒中や虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、大動脈瘤(りゅう)など、血管や心臓の病気を引き起こします。たばこの本数が増えるほど死亡する割合が上昇します。歯科領域でも、喫煙によって歯周病が悪化、虫歯になりやすくなり、口腔(こうくう)がんや喉頭がんになる危険性が非常に高まります。