紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【るろうに剣心】緋村剣心の物語を追う[志々雄真実]

2010-06-01 23:11:36 | ○○の物語を追う
前回からの続き


  斉藤一と再会



明治11年 5月。
剣心は、「藤田五郎(ふじたごろう)」と名を変え、警官となった
元・新選組三番隊組長の斉藤一と再会する。
実に十年ぶりの再会であった。

斉藤は、流浪人となり東京へ現われてからの剣心をずっと監視していた。
かつて、人斬り抜刀斎と呼ばれ京の町を血に染めた剣心を知っている斉藤は
剣心の流浪人としての生き方を、「自己満足のエセ正義」と否定し、勝負を挑む。

「お前の全てを否定してやる」

そうして猛然と襲い掛かる斉藤に、剣心はたまらず"抜刀斎"へと立ち戻る。
それは、かつて刃衛と戦ったときと同じだった。

決着が着こうとするその時、二人を止める声が神谷道場に響く。
二人の死闘を止めたのは、意外な人物であった。


  大久保卿



二人の死闘を止めたのは、
明治政府内務卿「大久保利通(おおくぼとしみち)」
警視庁警視総監「川路利良(かわじとしよし)」
であった。

斉藤は、剣心の力量を測るために二人から遣わされていたのだった。
大久保は剣心に会いに来た理由を話す。

「志々雄が京都で暗躍している」

志々雄真実(ししおまこと)。
剣心が遊撃剣士となった際、人斬り稼業を剣心から引き継いだ、
いわば「人斬り抜刀斎の後継者」であった。
その志々雄は十年前の戊辰戦争で死んだことになっていたが、
実は同志に誅殺されていた。死体には油をかけて火までつけさせたという。
だが、全身を炎に焼かれながらも、志々雄は生きていた。
志々雄は京都の暗黒街に拠点を置き、同志を募って一大兵団を形成。
日本を二つに割る復讐戦争を起こそうとしているのだという。
大久保は剣心に、志々雄を暗殺させようとしていた。

不殺を誓った剣心は、この要請に迷う。
かつての自分の後継者が、この国に再び騒乱を起こそうとしている。


  明治11年5月14日

大久保による、志々雄真実暗殺依頼から一週間。
剣心は依頼を受けるか否か返事をするために大久保のもとへ向かった。

しかし、この日。
明治11年5月14日の朝、紀尾井坂を馬車で走っていた大久保は凶刃に
倒れることとなる。



下手人は、志々雄真実の懐刀、瀬田宗次郎(せたそうじろう)であった。
しかし、明治政府の頂点に立つ男が白昼堂々暗殺されるという
日本史に残る大事件「紀尾井坂の変」は、明治政府に不満を抱く
石川県士族を中心とした七人の犯行となり、志々雄真実の名が表に出ることはなかった。



その日剣心が見た大久保は、すでに息絶えた後の姿であった。
巨大な影のような、志々雄真実の存在を肌で感じた剣心は
京都へ向かい、志々雄真実と対峙することを決意する。



剣心は薫に別れを告げ、再び流浪人となり、神谷道場を去る。
明治11年5月14日のことであった。


 次回へ続く

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
改めて感激してます。 (美渉)
2011-07-19 16:58:08
昔テレビ放映の時見てましたが、最後まで見れなかったので内容わかってよかったと思いました。今現在の政治家や官僚に失くなってしまった誇りや使命が主人公"樋村剣心"にはある と思いました。
返信する
(笑) (ぶぅー!!)
2011-12-30 09:44:02
ドンだけJcオタなんですか。
返信する
mulesoft training and certification (mulesoft training and certification)
2023-12-22 19:56:31
nice blog !
返信する
Unknown (stevediaz)
2023-12-22 20:00:12
nice article ! mulesoft training and certification
返信する

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