今月は小学校5年生の男の子が特許を取得することになり、日本の特許取得の最年少記録が更新されニュースの話題にもなりました。発明は買い物用の携帯バッグ「<wbr></wbr>スポッとバッグ」。
さらに海外の最年少記録は、英国の5歳の男の子の発明「大きいゴミと小さいゴミを一緒に掃けるほうき」です。
そこで、今日は特許を取得する手順について簡単に書きたいと思います。
以下、ご興味がありましたら是非ご覧になって下さい。
特許を取得するために初めにすることは、『先行技術調査』です。これから特許を取ろうとする発明と同様の発明が既に特許になっていないか、又は出願されていないかを調査をします。
調査をして、その発明が特許になる可能性があれば、次は『出願』です。『出願』は「特許願」や「明細書」等の所定の書類を特許庁へ提出して申請します。
出願した日から3年間「審査請求期間」という期間があり、その間に審査を請求すると出願した発明が特許になるかを特許庁の審査官により審査されます。
審査請求期間に審査を請求しないとその出願は取り下げられたものとみなされます。
特許権は先願主義(先に出願した人が権利を取得できる)を採用しているため、「急いで出願をしたけれど後になって権利化する必要がなくなった。」ということもあります。
そのため審査請求期間が設けられており、権利化する必要があるかよく見極めてから審査を請求すると経済的です。もちろん、出願してすぐに審査請求をする場合もあります。
審査を経て、その発明が特許になる発明と判断されると「特許査定」の書類が出願人に送付され、3年分の特許料を納付して晴れて特許獲得となります。
ここまでは、あくまで手続きが順調に行った場合です。提出した書類に不備があると補正したり、審査で特許にならない理由があったりすると「拒絶理由」が通知され対応しなければなりません。
特許を取得するための費用は(出願時¥15,000)+(審査請求料¥200,000前後*出願の内容(請求項の数)によって少々増減します。)+(登録料¥4,000弱/1年間*1~3年目までの特許料。年金は特許権の維持期間が長くなる程、高額になります。)と特許庁へ納付する費用だけでもお安いものではありません。
特に「個人で特許を取得するとなると大変だなあ。」と思います。
それなので、勤務先の特許事務所で「特許証」を手にすると、その発明が権利になるまでの道のりを想像して、なんとも言えぬ充実感のようなものを感じます。(自分は事務手続き程度しか関わっていないものの)
最年少の子の発明に戻ると、「携帯バッグ」に「ほうき」。高度に専門的で技術的な発明は無理でも私にもなにかアイデアがひらめかないかなあ。
最後に、特許等の産業財産権の申請手続きは残念ながら弁理士の独占業務であり、行政書士は代理できません。ですが、特許権など権利になっているものの譲渡手続きや変更手続きは行政書士も行っております。又、出願手続き等に関しては弁理士を紹介させて頂きます。
もし、もし、知的財産権に関してご相談等ございましたら、ご連絡はこちらまで⇒行政書士事務所松尾HP