医療保険の種類
以下は、代表的な医療保険プランタイプの概要である。
※保険プランの仕組み・内容・条件等については、
州法やプランを提供する医療保険会社によって異なる。
「Indemnity」
通常、Indemnity の場合、医療機関は自由に選択でき、
紹介状( referral )なしで、専門医にかかることができる。
医師が直接保険会社に医療費を請求し、保険会社から
保険給付を得てから保険加入者に差額を請求する場合も
あれば、保険加入者が一旦、医療費の全額を立て替え、
保険会社に保険給付を請求しなければならない場合もある。
「PPO ( Preferred Provider Organization )」
PPO とは保険会社が、病院や医師など医療機関と契約して
ネットワークを形成したものである。
ネットワーク内の医療機関を利用した場合、医療費の支払いに
対し事前に取り決められた割引料金が適用される。
ネットワーク外の医療機関の利用も可能であるが、通常、
保険加入者の負担がネットワーク内の医療機関の利用に比べて
多くなる。就業者向け医療保険では「PPO」が現在主流であり、
地域差はあるものの、約5割が「PPO」を利用している。
「 HMO ( Health Maintenance Organization )」
保険加入者は、HMO ネットワークに加盟する
主治医 ( Primary Care Physician ) を指定し、その主治医が
適切な医療を指示するプランである。
一般的に、緊急時を除き、ネットワーク外の医療機関を利用した
場合、保険は適用されない。
「POS ( Point of Service )」
「 PPO 」と「 HMO 」の中間プランである。
通常、主治医を指定しなければならない点は、HMO と類似している。
一般的に、ネットワーク内であれば、主治医の紹介なしでも他の
医療機関を利用することが可能である。
ネットワーク外の医療機関を利用する場合は、主治医からの紹介が
必要な場合もあり、また、保険加入者の負担はネットワーク内の
医療機関の利用に比べて大きくなる。
「 HDHP ( High Deductible Health Plan )」
従来の保険プランに比べ自己負担額(免責額)が高く設定されたプランで、
HSA ( Health Savings Account )や、
HRA (Health Reimbursement Arrangement)など、医療費の支払を目的に
非課税で拠出・積立が可能な医療積立口座と併用して利用することが
できる。
合衆国・内国歳入庁( IRS )によるHDHPの2018年度の規定は、
Deductible が、本人 1.350 ドル以上、家族計 2.700 ドル以上、
Out-of-Pocket-Maximum は本人 6.650ドル以下、
家族計 1万3.300ドル以下となっている。
◆歯科保険
治療内容を予防治療、基礎治療、高額治療の3つに区分し、それぞれ
異なる Co-Insurance を適用してプランを作成するのが一般的である。
医療保険の場合、Out-of-Pocket-Maximum (年間自己負担限度額)として
自己負担の上限額が設定されている。
しかし歯科保険の場合はこれとは逆に、保険会社負担のMaximum Benefit
(年間保険給付限度額)を設定し、これを超える金額はすべて保険加入者が
負担するプランが標準的である。また、日本の健康保険では対象外となる
歯列矯正をカバーするプランもある。
(※保険プランの仕組み・内容・条件等については、州法やプランを提供する
医療保険会社によって異なる。)
◆視力矯正保険
視力矯正保険は、その名が表す通り、視力矯正のための検査や眼鏡に対しての
保険である。目の疾病や傷害による治療は、医療保険の保障対象となる。
保障対象は視力検査、眼鏡のレンズもしくはコンタクトレンズ、眼鏡の
フレームに対して、一定額までの支払いが保険会社からなされる。
ネットワークを利用したプランが一般的であり、ネットワーク内の眼科医や
眼鏡店を利用した場合、割引料金が適用される。ネットワーク外の利用も
可能であるが保険加入者の負担がネットワーク内の眼科医・眼鏡店の利用に
比べて大きくなる。
※保険プランの仕組み・内容・条件等については、州法やプランを提供する
医療保険会社によって異なる。
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◆アメリカ合衆国における
「医療保険(健康保険)への加入方法」に続く