明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

「残鶯」から感じたこと

2013年07月26日 | 日本語


「残鶯」という語をはじめて知ったのは、山岸教授のブログでした(こちら)。「このような語があるのか。美しい日本語がだな。昔の人は上手に表したものだ」と感動しました。
 わたくしは以前静岡に住んでおりましたが、当時住んでいたアパートは、小川を挟んで裏がゴルフ場でしたので、木々が常に生い茂っていました。その環境からか、季節外れの鶯の鳴き声を時々耳にしました。その鶯の鳴き声を聞く度に、「こんな時季にも鶯が鳴くのか」などとたびたび不思議に思いました。
 先日、大学院の授業の一環で行った勝浦にある明海大学のセミナーハウス。そこは周りが木々で囲まれています。合宿2日目の朝。6時過ぎに目覚め、朝食までにはまだ時間に余裕があったので、敷地内を一人で散歩しました。その時、鶯の鳴き声が聞こえました。「ああ、これが残鶯か」と感じた自分に気がついたとき、何とも言えない、喜びを感じました。
 語を知ったという喜びを感じ、その語が指す現象を体感する。すると、その語は「借りもの」ではなく、「自分のもの」になるのではないでしょうか。【大塚孝一 M1】


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Joe)
2013-07-26 11:35:38
共感できることばですね!母語ももちろんそうですが、第2言語でも新しい単語を思わず使ってしまった事に気付く瞬間はとても気持ちいですね。
返信する
Unknown (大塚孝一)
2013-07-26 22:45:11
 無意識のうちに使っているL2もあると思います。Joeさんの場合は日本語、私の場合は英語ですね。
 「無意識を意識化するのが学問だ」とは、学部生の頃、山岸教授が教えてくださったことです。
返信する

コメントを投稿