CLUB F4(part3)
黄色い絶叫のウェーヴが私の耳を劈(つんざ)いた。
(なに?こ、この島は?!)
そこは一転して、華やかで明るい島だった。
「Hi!僕はVanness。」
インカムをつけた彼は、ファンキーなBGMにのって、スウィングしながら次々と居並ぶ女性客にウィンクを投げる。
そのパフォーマンスも鮮やかだ。高く投げた銀のシェイカーはくるくると2回転し、その間Vannessも軽やかにターン、そして必ず彼の器用そうな大きな手の中に戻って来る。なのに色鮮やかなそのカクテルは、寸分の狂いもなく、最後のドロップまでちょうどグラス一杯に納まるのだ。まさにVannessの踊りもカクテルも芸術作品だ。
そして、その度に感嘆と黄色い声がまじった声があちこちから飛んで来る。
(凄い!)
私はあっけにとられながらも、客層を確かめた。
ここも客層の幅は広いが、年齢層は先のKenの島よりは若干若そうだ。OL然とした女性も多いが、妙齢のマダムもかなり目立つ。
しかしこのノリの良さは何だろう?
彼はそうしている内に、素肌に羽織ったジャケットの襟を左手で軽くただした後、両手で私を指さした。
その間にも黄色い歓声が上がる。そんなバタ臭い仕草もキマり過ぎだ。
「で、君は何がいいの?」
キュッと片目を瞑る小慣れたウィンクをまともにくらって、私はまたもや口籠った。
「え、えっと!いえ…私はお酒は…」
「OK!」
お酒は…いらない。と言えぬまま、私は呆然として彼のはだけた胸を見た。バーテンダーにしては鍛え過ぎなんじゃないか?と思えるほど、綺麗に隆起した胸は意外に色白だ。
(!どこ見てるの?私)
いや、見ているのは私だけはなく、客の視線はほぼVannessの胸に集中している。
たしかにこんな格好でカウンターに入られたら、目がいかないハズはない。
しかもノースリーブの二の腕はムキムキなのに、なんでこんなに爽やかなんだろう?
そうしているうちにVannessは私の前に赤い液体の入ったタンブラーをトンと軽く置いた。
「はい、カンパリ・ソーダVannesspecial!」
「私にです…ね?」
「そう、この深紅のグラスを太陽に透かして、一気に飲み干すんだ。やってごらん?太陽の味がするから…。」
(じゃあ、太陽みたいな貴方を透かしてみようかな?)
そんな事をふと考えて、私はまた仕事を忘れそうになった…。
つづく(爆)
黄色い絶叫のウェーヴが私の耳を劈(つんざ)いた。
(なに?こ、この島は?!)
そこは一転して、華やかで明るい島だった。
「Hi!僕はVanness。」
インカムをつけた彼は、ファンキーなBGMにのって、スウィングしながら次々と居並ぶ女性客にウィンクを投げる。
そのパフォーマンスも鮮やかだ。高く投げた銀のシェイカーはくるくると2回転し、その間Vannessも軽やかにターン、そして必ず彼の器用そうな大きな手の中に戻って来る。なのに色鮮やかなそのカクテルは、寸分の狂いもなく、最後のドロップまでちょうどグラス一杯に納まるのだ。まさにVannessの踊りもカクテルも芸術作品だ。
そして、その度に感嘆と黄色い声がまじった声があちこちから飛んで来る。
(凄い!)
私はあっけにとられながらも、客層を確かめた。
ここも客層の幅は広いが、年齢層は先のKenの島よりは若干若そうだ。OL然とした女性も多いが、妙齢のマダムもかなり目立つ。
しかしこのノリの良さは何だろう?
彼はそうしている内に、素肌に羽織ったジャケットの襟を左手で軽くただした後、両手で私を指さした。
その間にも黄色い歓声が上がる。そんなバタ臭い仕草もキマり過ぎだ。
「で、君は何がいいの?」
キュッと片目を瞑る小慣れたウィンクをまともにくらって、私はまたもや口籠った。
「え、えっと!いえ…私はお酒は…」
「OK!」
お酒は…いらない。と言えぬまま、私は呆然として彼のはだけた胸を見た。バーテンダーにしては鍛え過ぎなんじゃないか?と思えるほど、綺麗に隆起した胸は意外に色白だ。
(!どこ見てるの?私)
いや、見ているのは私だけはなく、客の視線はほぼVannessの胸に集中している。
たしかにこんな格好でカウンターに入られたら、目がいかないハズはない。
しかもノースリーブの二の腕はムキムキなのに、なんでこんなに爽やかなんだろう?
そうしているうちにVannessは私の前に赤い液体の入ったタンブラーをトンと軽く置いた。
「はい、カンパリ・ソーダVannesspecial!」
「私にです…ね?」
「そう、この深紅のグラスを太陽に透かして、一気に飲み干すんだ。やってごらん?太陽の味がするから…。」
(じゃあ、太陽みたいな貴方を透かしてみようかな?)
そんな事をふと考えて、私はまた仕事を忘れそうになった…。
つづく(爆)