新潮文庫 乃南アサ「しゃぼん玉」
恥ずかしながら乃南アサをまともに読んだのはこの作品が初めてでした。
最近は、なんかどこかに面白い小説はないか?と、とりあえず話題の作家とか話題の原作など、手当り次第に読んでいました。
確かに話は奇想天外だったり、なるほど~、と感心したりする内容で、それなりに感動もしたし、話題作だけに面白かったのですが、でもどこかもやもやとして消化不良でした。
そんな中でこれは久しぶりにがっつり読んですっきりとし、そして泣いた小説です。
昼に買って途中家事をこなしながら夜10時には完読したので、私にとっては短編の部類に入りますが、いちおうページ数は文庫本サイズで315ページ。充分に読み応えがあります。それでもこの早さですから、きっとそれだけ内容に引き込まれたという事でしょう。
私の中で乃南アサは、失礼ながら話題作「凍える牙」のような刑事サスペンス=高村薫みたいな感じ。という図式が出来上がっていて今更読む気になれず、主人が数年前に買ったいくつかのハードカバー版の作品も私は手をつけず、本棚の肥やしとなっていますが、これを機に読んでみようと思います。
私が"がっつり読んだ"という気分になった要因の1つは、最近の小説にありがちな、というか、これは1つの技法なんでしょうが『さて?この後主人公はどうなったのか?あとは読者の想像にお任せします。』といわんばかりの余韻で終わらせなかったところです。(私はこういう余韻を残す終わり方はむしろ好きだし、かっこいいと思っていました。)この物語も、最後のエピローグがなくても主人公はこれから自首をし、きっと更生するに違いないと解るのですが、ちゃんとその後があるところが逆に新鮮で、それでいてややもすると単なる人情劇で終わりそうな内容が最後の最後まで完璧な感動作に仕上がっている。さすがだなと思います。
だから北上次郎氏の解説にあった”小説はストーリーではなく、技術である”という言葉に、そうだ!その通りだ!と深くうなずいたわけです。
それから、半日で読み切れる長さというのも、すっきりした要因の1つと思われます。
有名作家なので、この作品ももう読んだ方が多いと思いますが、買いやすい文庫本になったので未読の方はおすすめです!泣きます。ちなみにイケメンは出てきません…
…が、主人公を当てはめるのも一興。(笑)
恥ずかしながら乃南アサをまともに読んだのはこの作品が初めてでした。
最近は、なんかどこかに面白い小説はないか?と、とりあえず話題の作家とか話題の原作など、手当り次第に読んでいました。
確かに話は奇想天外だったり、なるほど~、と感心したりする内容で、それなりに感動もしたし、話題作だけに面白かったのですが、でもどこかもやもやとして消化不良でした。
そんな中でこれは久しぶりにがっつり読んですっきりとし、そして泣いた小説です。
昼に買って途中家事をこなしながら夜10時には完読したので、私にとっては短編の部類に入りますが、いちおうページ数は文庫本サイズで315ページ。充分に読み応えがあります。それでもこの早さですから、きっとそれだけ内容に引き込まれたという事でしょう。
私の中で乃南アサは、失礼ながら話題作「凍える牙」のような刑事サスペンス=高村薫みたいな感じ。という図式が出来上がっていて今更読む気になれず、主人が数年前に買ったいくつかのハードカバー版の作品も私は手をつけず、本棚の肥やしとなっていますが、これを機に読んでみようと思います。
私が"がっつり読んだ"という気分になった要因の1つは、最近の小説にありがちな、というか、これは1つの技法なんでしょうが『さて?この後主人公はどうなったのか?あとは読者の想像にお任せします。』といわんばかりの余韻で終わらせなかったところです。(私はこういう余韻を残す終わり方はむしろ好きだし、かっこいいと思っていました。)この物語も、最後のエピローグがなくても主人公はこれから自首をし、きっと更生するに違いないと解るのですが、ちゃんとその後があるところが逆に新鮮で、それでいてややもすると単なる人情劇で終わりそうな内容が最後の最後まで完璧な感動作に仕上がっている。さすがだなと思います。
だから北上次郎氏の解説にあった”小説はストーリーではなく、技術である”という言葉に、そうだ!その通りだ!と深くうなずいたわけです。
それから、半日で読み切れる長さというのも、すっきりした要因の1つと思われます。
有名作家なので、この作品ももう読んだ方が多いと思いますが、買いやすい文庫本になったので未読の方はおすすめです!泣きます。ちなみにイケメンは出てきません…
…が、主人公を当てはめるのも一興。(笑)