中華風冷やしイケメン韓タレ添え★BLOG de Diary

♪中華明星も韓国スターも好きな私の徒然日記♪

先週読んだ本

2006年07月10日 | 本と映画の話
先日、遅まきながら石田衣良の「娼年」を読んだ。
やっぱり私はミーハーだ。
さまざまなジャンルの小説を読んでいる(笑)私にとっては、この程度の性描写には慣れていたものの(爆…だって前評判がすごかったからさ^^;)、ま、それはさておいて、これでもかーこれでもかー、というセックス描写があってもなお、途中じわっと涙が出てしまうほど感動した部分があった。

話は今更説明する必要もないだろうが、タイトルの通り男娼の青年の話。
秀逸なのは、その主人公のリョウが仕事してる最中(^^;の描写だ。
と、書くとあなたもスキだな~、と言われてしまいそうだが(笑)、この手の描写は中途半端に書くとかえっていやらしさだけが残ってしまうが、最後まで、そして細部まで(爆)きっちり書けば一つの物語になるという事だ。
その証拠に、この小説を読んだユーザーのレビューを沢山読んだが、8割がた受け入れられている。

母親の死という暗い過去を背負っているリョウが、仕事で出会ういろいろな性癖をもった女性と交わるうち、内面的に成長し、それまで空虚だった人生のこれからの道を見つけていくという明るい結末もハッピーエンド至上主義の私は気に入っている。
さまざまな性癖の女性達も、そこまでに至るにはいろんな人生を生きてきた、あるいは生きている、のだという裏付けも説得力がある。

出てくる登場人物も全員クセがあって好きだ。
コールボーイクラブの美人で隙がない女性オーナー。
娼夫のテストを受ける時に初めてリョウのセックスの相手をした、耳が聞こえない可憐な少女。
同僚のVIP専門にして、ナンバーワン。Mの性癖を持つアズマ。
幼なじみで、その辺にいかにもいそうな健全な(?)ホストの友人。
リョウの事が好きなやや潔癖性の、大学の女友達。などなど。
もう役者はそろった!ってカンジの良いバランスだと思う。
特に好きなのはやっぱりアズマだ。
確かに性癖には難ありだが、実は物語の中ではいちばんまっすぐな人生を歩んでいて、性格もいちばんまともで素直な男だ。
彼が物語のスパイス役なんだと思った。
私はこのアズマとリョウを、とある有名人にあてはめて読んでしまったのだが、例の有名ドラマの原作者でもあるので、やっぱりこれもドラマチックな仕立ての話なんだろうな。
これ以上書くとネタバレになるのでこの辺で。。。

もし、まだ読んでいなくて、赤裸々な性描写と、ややエグい性癖に拒否反応がおこらない向きにはお進めする。
短編で軽くさくっと読めるし、捉え方は人それぞれだが、イヤな気分にはならないさわやかな読後感をお約束する。(って言い切っていいのか?!^^;)
それはひとえに、主人公・リョウが若い割には心底優しく、それでいて普通でいい男(多分ヒガシみたいな)なせいだと思う。

そして、これと一緒にタイトルに惹かれて購入してしまったのは「エンジェル」だ。まだ読んでないが。
子供の頃から『天使もの』が好きだった私が、このタイトルを読まずしてなんとする!なので。(笑)この感想はまた。