田舎の長男の長男が苗字を捨てる

ミルキーと同じ年のいとこ、Rは28才。マイケルの兄の長男だ。

「僕、結婚することにした。今度の土曜日に挨拶に来る」

親戚一同、薄い反応。

「・・・あ、そう」「よかったね」「へえ・・・」「・・・おめでとう？」

R「それで、向こうの苗字になる。」

親戚一同、半端ない食いつき。

「えっ⁉」「なんで？」「婿養子？」

結婚相手は名古屋在住の２人姉妹の姉。少し変わった苗字でそれを捨てたくないと。苗字を変えるなら結婚したくないとか。

「じゃあ、あんた苗字を変えても結婚したいってこと？」

「何、言ってんの？」

「ここの家、どうすんのよ」

苗字を変える＝婿養子かと思ったがそうではないらしい。

「じゃあ別に苗字変えなくたっていいじゃん。」

「そーだよ、別姓でいいじゃん」

叔父、叔母、いとこがギャンスカ騒いでいるそばで、ジジ様、ババ様はうつむいていた。

田舎の長男の長男。同じ年のミルキーが不貞腐れるくらいに、将来の墓守りは大事に扱われてきた。それがここに来てどんでん返し。

ジジ様が一言。「どうしてそうなるのか、そうしなければならないのか、一度問うてみたい」

問うてみたいよね。でも、問うてみたところで何も変わらず事は進み、年寄りの思いは置き去りにされていくんだろうな。

仕事納め

今年もあっちゅーまだったな。朝起きて、仕事行って、踊って、筋トレしてたまに泳いで寝るの繰り返し。毎日やりっぱなし。読みかけの本、ほぼ積読。来年こそ、１日を振り返る時間、落ち着いて本を読む時間を持ちたいなー。

今日が仕事納め。座れはしなかったけれど、この広々とした車内。余裕でスマホを出せている。

そもそもそこにわたしはいなかったかのように、これでもかと押され肺が潰れるんじゃないか（苦しい）、背中と背中で顔がサンドされる（気持ち悪い）心配もなく、誰かのエルボーが鎖骨に落ちてきたり（痛い）肩甲骨にぐりぐり刺さる（かなり痛い）こともなく、耳の上でスマホをいじられる（鬱陶しい）ことも、頭の上にフードが集まり眼の前が薄暗くなる（息苦しい）こともなく、本日はこの上なく快適だ。

偉い人の一声で今日の夕方に急遽、業務時間内に納会が設定されている。こちらは6時から私的なご飯会があるというのに、なんという迷惑。お腹をいっぱいにしないように食べるというのはとても難しい。昨日にしてくれたらよかったのに。ブツブツ。

とは言え。文句ばかり、反省ばかりの毎日でも、多少の心配事や悩みがあるとしても、明日があると思える、新しい年を迎えられるつもりでいられるというのはなんと幸せなことよ！わたしは幸せだ！

大遅刻

わたしは友人K子ちゃんの待つ東京駅黒塀横丁内の黄木に向かっている。13時の約束をすっかり忘れて、40分待たせる。大遅刻。そもそも今日会うことも忘れていた。

これまでK子ちゃんと待ち合わせて、彼女が遅刻してきた分数を足せば有に40分は超えるが、だからといって許されるわけでもなく。悪いことをしている。

ワイン飲みながら待っててくれているけれど。

今朝はマイケルが掛かり付けの歯医者さんで紹介された矯正歯科へ急に行くことになり、スポーツクラブへ行く時間が遅くなった。

昨日あまりできなかった分今日は多めにやろうと黙々とトレーニング。久しぶりに会ったＴさんに、少し痩せたでしょ？と言われいい気になり、有酸素もやっておこうとマシンに向かうこと20分。スマホにラインが。

「ごめん。定期探してて出遅れた、ちょっと遅刻する」

なになになにー？あっ！今日だった！やばー！

シャワーも浴びず汗だけパパッと拭いて5分後には電車に乗ったががが。すっぴん、眉毛なし。髪もぼさぼさ、何よりセーター＆ジョガーパンツにスニーカー。電車内見回してもこんな普段着の、というか部屋着のおばさんはいない。ごめんね、K子ちゃん。遅刻の上にこんな格好で。せめてもの救いは最近前髪を作ったから眉毛なしが目立たないこと。

東京着いた！走るぞ！

喪主、ミルキー。

ミルキーが昼間やってきた。

「ピアノ弾こうっと♪」

生ピアノを買い維持する余裕も置く場所もない我が家では、デジタルピアノがせいぜいだったけれど、文句も言わずに弾く。

ピアノを習うと頭が良くなると信じていたわたしは小さな頃から教室に通わせていたが、ミルキー自身がピアノを弾く事が好きだったようで大学で研究室に入るまで続けていた。

長く習っていたけれど、親の贔屓目で見ても聞いても上手ではない。

この日はパッヘルベルのカノンをつっかえ、つっかえ弾いていた。

ミルキー：「お母さん、この曲好き？」

わたし：「好きだよ」

ミルキー：「じゃあ、お母さんのお葬式の時にミルキーが弾いてあげるよ」

わたし：「喪主、誰がやってくれるの」　

ミルキー：「ミルキーだよ」

？？どうやらその時マイケルはわたしより先に死ぬか、喪主をつとめられないほど老いているらしい。

子供の弾くピアノ演奏で送られるのも悪くない。小さいお葬式がいいな。で、カノンもいいけれど、もっと曲調の明るい曲がいいな。Tea for twoをリクエストする。

願わくばピンピンコロリ、ピンコロで逝きたい。

今年もお疲れさまでした。

先週土曜日でイベントも終わり、年内の予定は一段落。お陰様で今年はあちこちのステージに出演させてもらえて感謝。今年はイベント皆勤。オファー全てに手を挙げて出してもらった。

最後は３週連続で、楽しかったけれど日々の生活にオンされる蓄積疲労度半端なく。やっぱり年相応の参加が望ましいかも。

来年はちゃんとカレンダー見て調整しよう。わたしはぎゅうぎゅうに予定詰め込みがち。自己管理大切。でも、すごく苦手。

こうして見ると、改まってカメラを向けられると常に腰に手を当てているのが面白い。なぜか考えたことはない。他にそれっぽいポーズはあるのにこれが１番いいのかな。

兎にも角にも。お疲れさま。先生、スタジオのみんな、主催の方々、観にきてくださった皆さまに感謝です。マルルー（タヒチ語でありがとうだよ）！