ミルキーと同じ年のいとこ、Rは28才。マイケルの兄の長男だ。

「僕、結婚することにした。今度の土曜日に挨拶に来る」
親戚一同、薄い反応。
「・・・あ、そう」「よかったね」「へえ・・・」「・・・おめでとう?」
R「それで、向こうの苗字になる。」
親戚一同、半端ない食いつき。
「えっ⁉」「なんで?」「婿養子?」
結婚相手は名古屋在住の2人姉妹の姉。少し変わった苗字でそれを捨てたくないと。苗字を変えるなら結婚したくないとか。
「じゃあ、あんた苗字を変えても結婚したいってこと?」
「何、言ってんの?」
「ここの家、どうすんのよ」
苗字を変える=婿養子かと思ったがそうではないらしい。
「じゃあ別に苗字変えなくたっていいじゃん。」
「そーだよ、別姓でいいじゃん」
叔父、叔母、いとこがギャンスカ騒いでいるそばで、ジジ様、ババ様はうつむいていた。
田舎の長男の長男。同じ年のミルキーが不貞腐れるくらいに、将来の墓守りは大事に扱われてきた。それがここに来てどんでん返し。
ジジ様が一言。「どうしてそうなるのか、そうしなければならないのか、一度問うてみたい」
問うてみたいよね。でも、問うてみたところで何も変わらず事は進み、年寄りの思いは置き去りにされていくんだろうな。
