くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

喪主、ミルキー。

2023-10-20 18:35:14 | ミルキーのこと
ミルキーが昼間やってきた。

「ピアノ弾こうっと♪」

生ピアノを買い維持する余裕も置く場所もない我が家では、デジタルピアノがせいぜいだったけれど、文句も言わずに弾く。

ピアノを習うと頭が良くなると信じていたわたしは小さな頃から教室に通わせていたが、ミルキー自身がピアノを弾く事が好きだったようで大学で研究室に入るまで続けていた。

長く習っていたけれど、親の贔屓目で見ても聞いても上手ではない。

この日はパッヘルベルのカノンをつっかえ、つっかえ弾いていた。

ミルキー:「お母さん、この曲好き?」
わたし:「好きだよ」
ミルキー:「じゃあ、お母さんのお葬式の時にミルキーが弾いてあげるよ」
わたし:「喪主、誰がやってくれるの」 
ミルキー:「ミルキーだよ」

??どうやらその時マイケルはわたしより先に死ぬか、喪主をつとめられないほど老いているらしい。

子供の弾くピアノ演奏で送られるのも悪くない。小さいお葬式がいいな。で、カノンもいいけれど、もっと曲調の明るい曲がいいな。Tea for twoをリクエストする。

願わくばピンピンコロリ、ピンコロで逝きたい。




ミルキー式根島へ行く

2023-07-17 18:40:00 | ミルキーのこと
ミルキーの夏休み。去年のうちから計画を立てていて、仲良しのМちゃんと昨夜の便で竹芝桟橋から出航。式根島へ向かった。

最近、インスタで映画『タイタニック』に出演していた俳優陣の今昔を目にしていたせいか、それとも沈没したタイタニック号見学ツアーの事故のせいかわからないけれど、心配でたまらないわたし。乗船したらまず救命胴衣の場所を探してと頼んだ。

本人は至ってのんきで浮き輪も持っていくし、笛もある。もしも沈んだらМちゃんと手を繋いで浮かんでいるから大丈夫だと。

笛はいいね!ローズも笛を吹いて助けを呼んでいた。水温は高いだろうから、低体温症にはならないだろうけど、サメとかいないのかな。とにかく浮かんで助けを待つようにと、沈没前提でオロオロするわたし。

無事に着いたと連絡があり、やれやれ。美味しいもの食べて、沢山遊んで、元気に戻ってきてほしい。いくつになっても心配。

「ようこそ、式根島」

いいなー、しみを気にせずビーチに行けるなんて羨ましい。

船内、備え付けの救命胴衣格納場所。オレンジ色で黒カビが生えているのを想像していたけれど、意外と新品で清潔かもしれない。



ミルキー、城に帰る

2021-04-18 23:16:08 | ミルキーのこと
ガス会社に連絡を忘れていたミルキーはお城のお風呂が使えない。我が家でお夕飯を食べてお風呂に入ってお城へ帰って行った。

今朝まで26年間、ミルキーがだらだらと過ごしていた部屋は静か。やっぱり寂しいな。寂しいけれど、これで彼女がお嫁に行くときに寂しい思いはしなくて済む。

向こうの片付けもこちらの片付けも全部は済んでいないからしばらくは後始末にちょくちょくやってくるだろう。

朝から家族総出の引越作業は車3往復で終わった。今日運び出したものは衣類がほとんどで、大変だったのは小学校へ上がる時に買った机&ベッドについてきた4段ミニタンス、3段物入れ、衣装ケース2つくらい。

机とベッドはマイケルが引き取っていた。わたしはミルキーが捨てようとしていたウサビッチのパーカーを試しに着てみたらすんなり入ったのでもらった。来月55歳になるおばちゃんがウサビッチを着る。いいじゃん、別に。


午後、ヤマダ電機で買った白物家電が届いた。大学生コンビかな。お兄ちゃんが二人、二宮金次郎スタイルで3階まで各々冷蔵庫と洗濯機を担いで上がってきてくれた。設置して動作確認をして30分もしないで帰って行ったが、冷蔵庫の入っていた大きなダンボールを廊下に忘れて取りに戻ってきた。お疲れちゃんです。

風が強かったけれど良いお天気だったので新しいバスタオルやら糊のついた布巾やらを洗濯をした。西向きの部屋だけれど3階建の3階は庇がないので明るく、サンキャッチャーをつけたらキラキラできれいだろうなと思った。

夜になって窓を開けたら三日月が見えた。お部屋内から月が見えるのはいいな。夏は花火が見えるかもしれない。

段取りの悪いミルキー。散々迷って買たカーテンもベッドも寝具も届いていない。こちらで使っていた布団でしばらくは寝るけれど、届いたら返しにくるそうだ。うちは倉庫じゃないぞ。

もうお城に着いたかな。鍵はきちんと掛けただろうか?明日は一人でちゃんと起きられるかな?朝ごはん食べるかな?お弁当は明日は無理だろうな。遅刻しないできちんと出勤できるだろうか?

静岡のばあばに今日から一人暮らしをするとラインをいれたら「大丈夫?」と返信があったらしい。皆、考えることは同じ。



使わずにしまっておいたウェッジウッドのイヤープレート。ミルキーが生まれた1995年を2枚を持たせた。ウサビッチもうさぎ、ピーラビもうさぎ。でもミルキーは亥年。








ミルキー、家を出る

2021-04-18 07:37:19 | ミルキーのこと
あっという間に今日が来た。今、まだベッドの中にいるのだけれど、わたしはまた泣いている。本当にバカだ。それはわかっている。

昨日の夕方、ミルキーが不動産屋さんから鍵をもらってきたので、今日は何時からでも始められる。

昨夜は自宅から運び出す物の選別、箱詰め、袋詰。そういうことも自分でするのかと思ったら、お母さんも一緒にやろうとかり出された。家の中はダンボールとごみ袋ですごいことになっている。

ミルキーが保育園や小学校に通うときに作ったバッグや小物もわたしが捨てられなくてずっと後生大事に持っていたけれどやっと処分できた。古いものはミルキーが1歳になる時に作ったから25年も前のもの!平成レトロ。物より思い出なのにね(笑)

途中、わたしが「ミルキーがいないとつまらない」「寂しいよう」と言っても「すぐに会えるよ」「すぐそこだから」「すぐ来るよ」と軽くあしらわれた。わたしが言ってほしいのは「ミルキーもつまらない」「ミルキーも寂しい」なのだ。そんなことは一言も言ってくれなかった。

でも、それでいいんだな。一緒にいたらわたしは何でも手を出してしまう。わたしの大切な大切なかわいい一人娘、強く生きろ。昨日の雨は止んで今朝は青空だ。













先日、的場浩司に似た不動産屋のMさんが内見で案内してくれた時のもの。今日からここがミルキーの城だ。

さっきグーグルマップで自宅からの直線距離を測ったら139メートルだった(^^;)26歳になった娘が自立しようと近所に部屋を借り一人暮らしを始める。素晴らしい第一歩。こんなことで寂しいと泣くなんて、自分でもおかしいと思う。わたしも涙を拭こう!









巣立ちは近い

2021-03-09 08:01:00 | ミルキーのこと
先週の木曜日。仕事帰りにスポーツクラブへ寄り、ヘロヘロになって帰るとミルキーがわたしを待ち構えていた。

「お母さん、今日アパマンショップへ行ってきたよ」 

「あ、そう」(行ったのかー)

「ここがいいと思うんだけど」

「うん、いいんじゃない?」(どこに行っちゃうんだろー)

「お父さんはちょっと高いって言ってたけど」

「うん、でも、いいんじゃない?」(値段よりどこ)

「お母さん、ちゃんと見てよう」

物件案内から素早く住所を確認したら。。。同じ町内だった(ε-(´∀`*)ホッ)我が家から直線距離で200メートル。離れみたいなものだ。お家賃の無駄遣いな気もするけれど、それでもこれはきっと必要なことなのだ。

ミルキーがアパマンショップに出した条件は築浅、駅チカ、オートロック、2階以上、お風呂・洗面所・トイレが独立、8万円以内。

その物件は、駅から徒歩4分の築浅物件。東向き3階建の3階。お風呂と洗面所、トイレは独立している。ロフト、ウォークする必要がないくらい小さそうなウォークインクローゼット付き7.1畳でお家賃は68,000円+共益費3,000円。

「いいの!?お父さんはお母さんがいいって言ったらいいって言ってた。今度の日曜日、お店に一緒に行ってくれる?」

「いいよ」

いいも悪いもない。わたしは出してやると決めたのだ。そして自立すると言いながら要所、要所で親を引っ張り出すのは一人っ子の習性なのか、ミルキーが甘ったれだからか。
 
「お母さん、寂しいでしょ、引っ越しの日泣くでしょ」

「ちょっと寂しいかなー」

「嘘だ、すごい寂しいでしょ」

(はい、お母さんはすごく寂しいです。。。)
 
◆◆◆◆◆◆◆◆

そうして、日曜日。駅前のアパマンショップへ。ミルキーはクリアファイルだけをむき出しで持っている。はんことか保険証とかお通帳とか要らないの?と聞くと、今日は申込みだから職場からの紹介状だけで他は要らないと言う。

ふーん。。。

でもって、その職場総務部発行の紹介状が手数料7万円割引というすごい威力を発揮。指定勤務先様なんだとか。まあ、地域の拠点病院。職員用の社員寮もあるけれど数が少ないので、不動産屋と提携して家なしっ子を(に)提供するんだろう。

今は連帯保証人はつけないんだそうだ。お母様の時代とは違います。。。時代は変わりますねえ。

なんとかクラブというのに加入しなくてはいけなくて、それが2年で16.000円。設備の不具合には24時間対応してるそうだ。近くに知り合いや身寄りのない子たちには安心だ。そして、アパマンショップ社員と同じ福利厚生が受けられるとか。ピザの宅配割引きとか、どこかの保養所が安く使えるとか。変わってる。

退去時のクリーニング代、前家賃、消火器費用諸々で次回内見後の契約時に23万円くらい払ってくださいだって。魔法の紙がなかったら30万円だったってことか。

担当者「では、こちらにご記入いただいている間にご本人様を確認できる資料をコピーさせてください・・・」

(ほら、やっぱり要るんだよ)
  
ミルキー「すみません、持ってきませんでした」  

担当者「あ、じゃあお近くだから後で持ってきていただけますか?」

結局、甘々のお母様が席を立ち自宅へミルキーの保険証とパスポートを取りに帰った。花屋の前で信号待ちをしているときに、生後5ヶ月から預けた保育園へ送り迎えをしていた時のことを思い出した。最初はベビーカー、そのうち自転車の前に乗せ後ろに乗せ。朝はぶっ飛ばして自転車を漕いでいたけれど帰りはのんびり。いつもここで信号待ちをした。

「ほら、今日はお月さまがまんまるだ」

「お月さま、保育園からついてきてるよ、なんで?」

「ミルキーのことが大好きだからじゃない?お母さんもお父さんも、じいじもばあばもみんなミルキーのこと大好き」

「ミルキーもみんな好きー」
 
真っ昼間の交差点で泣きそうになった。

よそのお宅のミモザが咲き始めた。3月8日はミモザの日。