よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

カラダに取り入れたくない モノとは

2021-01-04 13:54:16 | 健康・病気
 明けましておめでとうございます。昨年から新型コロナウイルス感染症により生活が一変している状況が続いています。いつ元の生活に戻れるのか?あるいは変化した生活が一部定着していくのか気になるところですが、とにかく早く感染が落ち着いてほしいと思っています。

 さて今回は、体に何らかの害を及ぼす危険性があるにもかかわらず、身近にあるモノについて考えてみたいと思います。口から摂取するもの、皮膚から吸収されるもの、鼻から吸引してしまうものなど様々な種類があります。

 まずは遺伝子組み換え食品です。遺伝子組み換え作物とは、目的に適した遺伝子を見つけ出し、その遺伝子を取り出して全く別の生物の遺伝子を人為的に組み込んだ作物で、今までの品種改良や交配と違い自然界では存在しない作物です。有名なのは、除草剤(グリホサート)に耐性のある遺伝子組み換え大豆です。品質が一定で生産性が高いということで様々な作物に応用されましたが、動物実験の結果からアレルギーや免疫機能、妊娠や出産に関する生理学的、遺伝学的分野で深刻な健康への脅威が指摘されています。
 これに似たゲノム編集技術もあります。これは特定の遺伝子をピンポイントで切断することで生物の特徴を変える技術です。肉厚の鯛などに応用されていますが、切り取った遺伝子が他の遺伝子にも影響する可能性もあり安全性は誰にもわかりません。
これらの技術に対して世界では慎重な姿勢の国が多いのですが、食料自給率が低い日本では積極的に導入する方針のようです。これらの食品は表示されるから大丈夫と思っている方も多いと思いますが、表示基準が改正(改悪?)され知らないうちに食べている可能性も高くなっています。

 農作物に関連して、意外と思われるかもしれませんが、日本の農薬使用量は世界トップクラスです。見栄えが良く安い作物が消費者のニーズであるため、手間暇やコストのかかる有機栽培作物は限られています。体への影響のみならず環境汚染の観点からも農薬の功罪についても考えるべきかもしれません(無論、国は農薬の使用量、残留量など基準を決めチェックしていますが)。

 次に、様々な加工食品に使われる食品添加物についてです。今や食品添加物なしでは、日々の生活が送れないほど私たちの生活に浸透しています。
 なかでも自然界に存在しない化学合成物質の食品添加物は問題です。これらは、体で分解・排泄のできにくいものが多く、長く体内にとどまり重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
 
 渡辺氏は著書の中で、特に避けるべき10大食品添加物を挙げています。
1. 発がん性物質に変化する発色剤(亜硝酸ナトリウム)
2. 発がん性物質を含むカラメル色素
3. 発がん性や肝障害を来す可能性のある合成甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK)
4. 発がん性が確認されているパン生地改良剤(臭素酸カリウム)
5. 発がん性の疑いのある合成着色料(タール色素)
6. 発がん性と催奇形性の明らかな防カビ剤(OPPとTBZ)
7. ヒト推定致死量が茶さじ一杯の殺菌料(次亜塩素酸ナトリウム)
8. 毒性が強く頭痛を起こす酸化防止剤(亜硝酸塩)
9. 白血病を起こす化学物質に変化する合成保存料(安息香酸ナトリウム)
10. 発がん性の疑いのある合成甘味料(サッカリンナトリウム)
これらの添加物は、加工食品の内容表示で確認できますので購入前に確認されることをお勧めします。

 シャンプーなどに使われる合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)も皮膚の細胞を破壊し、皮膚障害、発がん性など悪影響が懸念されています。皮膚からの吸収は通常、物質濃度の0.5%と考えられていますが、保湿剤乳化剤として使われているプロピレングリコールは、皮膚からの浸透を助け、他の化学物質の吸収を増加させる作用があります。またタール系色素は発がん性物質と考えられていますし、食品容器に使われるビスフェノールAも胎児に影響する可能性が指摘され特に妊婦している方は避けるべき化学物質です。

 鼻から吸引する化学物質(排ガス、たばこ煙、ダイオキシン、アスベストなど)は、喘息など呼吸器疾患、肺がんの原因であることは言うまでもありません。

 その他、抗生物質合成洗剤殺虫剤など多くの化学合成物質が身の回りに溢れています。これらは確かに私たちの生活を便利に豊かにしてくれています。しかし、体の中で消化、分解、排泄が出来ず、ガン、アレルギー、免疫機能低下など体の不調の原因になっている可能性があることを忘れずに、なるべく避けていく工夫も必要と思います。

 
参考文献:山田正彦『売り渡される食の安全』角川新書
渡辺雄二『体を壊す10大食品添加物』幻冬舎新書
竹内久米司『経皮毒』日東書院本社