2004年 2月 初版発行
2020年 8月 40刷発行
解説・北上次郎
378頁
江戸から3日を要する山間の村、瀬田村で生まれて間もない庄屋の一人娘・遊が激しい雷雨の夜、何者かに掠われ、手がかりの掴めぬまま一家は失意の年月を過ごします
当初は遊は瀬田山に暮らしているのではないか、という噂も聞かれましたが、誰もそのことを口にしなくなった15年が過ぎたある日、突然遊が戻ってきます
島中藩と岩本藩の境界に位置する瀬田村
真実なのかどうかも怪しい埋蔵宝物伝説がゆえ支配争いが絶えない村で起こった悲劇
村でのあれこれに加え、庄屋の次兄が江戸で中間として仕える御三卿・清水家の当主・斉道までもが登場し物語に厚みが増します
冒頭で登場する榎戸角之進なる老武士は何のために瀬田村を訪ねようとしているのでしょう
遊にも、庄屋一家にも、徳川斉道にも、何の罪もないのにどうしてこのように辛い人生を歩まねばならないのか
それでも、自らの運命を受け容れる遊の強さと柔軟さ、庄屋一家の優しさが救いでした
遊の象徴でもある瀬田山の桜
優しい春の風にハラハラと散る様が目に浮かぶようです
終盤は何度もウルっときてしまいました
髪結い伊三次シリーズ以外を読んでみようと手にしました
登場人物の配置、役割がよく考えられていて物語の展開に無理がないと思いました
他の長編も読みたいです
2010年、岡田将生さんと蒼井優さんで映画化されており、巷の評価は低いですが観てみたいです
やっぱ、馬上のシーンですね(#^^#)
伊佐治ものより他の作品の方が好きで・・・。
この作品も良かったですが、宇江佐さんとしてはちょっと変わったタイプの作品かもしれません。個人的には『おちゃっぴい』の様な明るい作品が良かったような記憶が有ります。
↓私の読了本
http://todo23.g1.xrea.com/book/keyword.html?key=%E5%AE%87%E6%B1%9F%E4%BD%90%E3%80%80%E7%9C%9F%E7%90%86
ご紹介ありがとうございます。
「おちゃっぴい」( ..)φメモメモ。
ありがとうございました。
また感想を聞かせてくださいね^^