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麻宮ゆり子「花電車の街で」

2022年04月22日 | ま行の作家

双葉文庫
2021年9月 第1刷発行
解説・大矢博子
331頁

戦後の高度成長が始まった昭和30年代
碧は母と2人、名古屋の繁華街・大須で暮らしています
娯楽施設や商店がひしめき、個性的な面々が集う「ごった煮の街」でアルバイトをしながら足繫く映画館に通う碧の夢は将来、映画監督になること
人々が辛いことを一瞬でも忘れられるような映画を作りたい…
街の移ろいや大人たちとの交流を通して描かれるひとりの少女の成長を描きます

舞台になっている名古屋市中区大須
江戸時代には大須観音の門前町として栄え、江戸中期には芝居小屋や遊郭が立ち並んで「芸どころ名古屋」を生みます
戦前には映画館や劇場が軒を連ねる大歓楽街として栄えますが、日本経済と碧の成長と共に大須は取り残され、どんどん寂れていきます
碧は、そんな街で、悲しいこと、辛いこと、嬉しいこと、様々な経験をし、それらを糧に東京へ出てからも必死に映画監督への道を突き進みます
東京で大須時代の人脈が役に立つのもナイスです

大須は現在では電気街、パソコン街、サブカルの街、流行りの食べ物や古着ショップなどが集まる場所で週末でなくても多くの人で賑わっていますが、以前は『怖い街』『暗い街』というイメージが強く近づくなんてとんでもない場所でした
よくぞ復活したものです

タイトルに使われている花電車
毎年秋に開催される名古屋まつりのPRに期間限定で走っていました
市電が廃止され花バスに代わり、それももう消えて久しいです

実際には見ていないけれど昭和30年~40代の大須の街を想像しながら思いっきり碧に感情移入して読みました

現在大須演芸場が建っている場所は、以前はストリップ劇場だったそうでビックリです(*_*)




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