角川書店
2021年3月 初版発行
293頁
江戸は神田の袋物屋・三島屋で行われている風変わりな百物語
従妹のおちかから聞き手を引き継いだ三島屋の次男・富次郎は、語られた話を墨絵に描き封じ込めることで聞き捨てとしていました
「火焔太鼓」
美丈夫の勤番武士が語る摩訶不思議な力であらゆる火災を制す神器の真実
「一途の念」
馴染の団子売りの娘が打ち明けた一途な愛が起こした悲しき事件
「魂手形」
木賃宿に泊まったお化けの復讐譚
怖いのはお化けより人間
人間の果てない欲ほど恐ろしいものはありません
それでも読後感が悪くないのは三島屋と周囲の人々の温かさのお陰でしょう
富次郎は少しずつですが富次郎らしく聞き手を務めています
語られた話の墨絵を一堂に集めたのを見たいと思いましたが、それでは聞き捨てになりませんね
おちかのおめでたという喜ばしい知らせの一方で、最終盤に出てきた謎の男が残す不吉な影
どうなるのでしょう
ワクワクします
早く八之続を読みたい~!
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