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あさのあつこ「おいち不思議がたり 火花散る」

2024年06月16日 | あ行の作家


PHP研究所
2018年6月 第1版第1刷発行
299頁

「おいち不思議がたり」シリーズ第4弾

菖蒲長屋で赤子を産み落とし消えた女・滝代
不思議な能力を持つおいちは、武家の女と思われる滝代の聞こえるはずのない叫びを聞いてしまいます
岡っ引き・仙五朗らと力をあわせ、滝代を捜していたおいちのもとに、滝代が惨殺されたとの報せが…
傷痕からみえてきた滝代の正体、抱えていた事情、そして母を亡くした赤子の運命は?

お家騒動に絡んだ悲劇
命に武家も庶民もないと憤るおいち、千五朗、簪職人でおいちに気のある新吉の働きもあって事件は解決します
そして、滝代が産んだ赤子・十助はおいちが安心して任せられると判断したお店に里子に出されることになります
十助が健やかに育ち、母の分まで幸せな人生を送ってくれることを願って止みません

やりきれない悲惨な物語の中、相変わらずの松庵とおいちの伯母・おうたの掛け合いが読者を和ませてくれます
あさのあつこさん、コント作家になれるのでは?

父・松庵のような医者になりたいと願っていたおいちは、今回の事件を通して、女が安心して子を産み母親になれるような場所を創りたい、女を助ける医者になりたいと思い始めます
その辺りは次巻をお楽しみに、ですね


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