訳・岸本佐知子
白水Uブックス
2011年8月 第1刷発行
2019年12月 第3刷発行
253頁
語り手は10歳になるシルバー
スコットランドの北端にある寂れた港町ソルツの断崖絶壁に建つ斜めの家で母と2人暮らしをしています
父親が誰かはわかりません
ある日、母親が不慮の事故で亡くなり、孤児となったシルバーはケープ・ラスの盲目の灯台守ピューに引き取られ、灯台守の見習いをしながら夜ごとピューが語る物語を聞いて暮らします
まるで自分が見て来たかのように100年以上も前にこの地に暮らした牧師、バベル・ダークの人生語るピュー
シルバーに「ピューは何歳なの?」と聞かれても堂々と語り続ける姿は最高です
しかし、灯台の無人化が決まり二人の生活にも変化が訪れます
灯台を離れることを良しとしないピューはシルバーを置いて一人立ち去ります
そしてシルバーもまたピューの語った物語と母親が生前彼女に残した多くの言葉を胸に真実の愛を求めて旅立つのでした
読後に舞台になっている場所を地図で確認しました
怒りの岬、ケープ・ラス
北緯58度37.5分、西経5度
ベントランドとミンチ、二つの海峡が出会う場所
西にはルイス島、東にはオークニー諸島を望むが、北に向かってはただ一つ、大西洋があるきり
描写の通りでした
ソルツという地名は実在しませんがモデルとおぼしき灯台が建っており画像からみるに宿泊施設も兼ねているようです
場所、調べたんですね。お気持ち、凄く解ります。
私もこの灯台とか場所とかソソられましたー
ただ、内容は、ちょっとキツかったかも・・・
実はこれ2年前に読んで感想途中で下書きに入れっぱなしになっていたの。
でも、こにさんがこの記事アップされて、あ!、ってなったの。
ピューの語る物語は、港町の性格とか時代とかでそういうのもありなのかなぁ、と思いながら読みましたがキツかったですね。
訳者あとがきでウィンターソンの生い立ちを知り、う~ん、となりました。