徳間書店
2021年9月 初刷
2022年1月 2刷
438頁
代官・岩田鍬三郎の身辺を探るため、江戸から岩見国大森銀山にやってきた金吾
代官所で中間として働き始めますが、そこで待っていたのは銀山を支えるために懸命に生きる人々との出会い
命の危険にさらされながら間歩の中で鉱石を採掘する堀子、重い荷を運び母と妹を養う少年、酒浸りの日々を送る僧侶と、僧侶に仕える少年
そして彼らを慈悲深く見守る岩田鍬三郎
様々な思いに触れ、金吾はいつしかこの地とここに暮らす人々に魅せられていきます
金吾からみた
輝山とは
みなを深く懐に抱き、その命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山
その生き様とは
残された者は限りある命を慈しまねばならぬ
そしてその輝きを目にすることで此岸を去る者たちは自らの生の美しさをはっきり語り得る
ミステリー仕立ての物語を楽しむと共に、40歳が寿命とされる石見銀山で働く男たちが短い人生を謳歌する様が胸に迫る骨太の人情小説でした
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