訳・小野寺百合子
講談社文庫
2011年5月 第1刷発行
2020年2月 第19刷発行
285頁
解説・小野寺百合子
ムーミン谷の魅力3 「ムーミンパパの思い出」うそも、まことも、なんでもあり・冨原真弓
ムーミン全集【新版】
丈夫なのが自慢のムーミンパパが、ある日、軽い風邪をひきます
ちょっとでも具合が悪いと今にも死にそうに騒ぎ立てるパパ
いま自分が死んだら、あの輝ける青春時代はどうなるのだろう
そこへムーミンママ登場
「ノートを見つけたわ、若い頃の話を書いて本にするのはどう、ほら、思い出の記、とかいうものよ」とさりげなく提案します
俄然、その気になったパパ
天涯孤独ながら恵まれた星のもとに生まれた自分がムーミンみなしごホームで息苦しい日々を過ごすのは過っていると考え、ホームを飛び出し、最高の仲間にめぐりあい、恐ろしい冒険をしたり、ひとり悩んだり、そして愛すべきムーミンママと出会う
その波乱万丈の半生を綴ることにします
その中にはスナフキンやスニフの親も登場して驚いたのなんのって
ある程度書き終えては家族の皆に読んで聞かせることを繰り返します
朗読が終わると、舞台は若き日のパパの世界から現在の楽しいムーミン一家へと変わるという構成が面白く、読者を厭きさせません
本書でも、解説小野寺百合子さんが時間が経ってから何度も読み直してください、と書かれています
ムーミンシリーズは奥が深いのです
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