読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

映画・こころに剣士を

2017年01月14日 | 映画(海外)

 

原題 THE FENCER
2015年 フィンランド、エストニア、ドイツ

 

 

第二次大戦中はドイツに、末期からはソ連に占領されていたエストニア
そんな闇の時代に生きる人々を描きます

1950年初頭、スターリン政権下ソ連の秘密警察に追われる元フェンシング選手のエンデル(マルト・アヴァンディ)は小学校の体育教師として田舎町ハープサルに身を隠すためやってきます
課外授業として子供たちにフェンシングを教えることになりますが、実は子供が苦手
子供たちとの距離を縮められないエンデルでしたが、父親を連行された生徒のマルタ(リーサ・コッペル)、ヤーン(ヨーナス・コッフ)らには父の様に慕われ、自身もフェンシングの経験があるヤーンの祖父(レンビット・ウルフサク)、同僚で恋人の女性教師カドリ(ウルスラ・ラタセップ)らと関わることで心に平穏が訪れ、子供たちの間に絆が生れます

 

レニングラードで行われるフェンシングの全国大会に出かけるエンデルとマルタたち
田舎町の生徒が列車の窓から大都会レニングラードを食い入るように見つめる姿は期待と希望に溢れていました
しかし、決勝戦で見事勝利を収めたマルタたちが目にしたエンデルの姿は…

 

数年が経ち
スターリンの死後
強制収容所に収監されていた人たちが続々と解放され、故郷へ、愛する家族の元へ戻っていきます
ある春の日、一人の男性がハープサルの駅に降り立ちます
そしてそこには心優しい女性と子供たちの姿がありました
心温まるラストが静かな感動を呼び起こします

 

本作のモデルとなった男性が作ったフェンシング部は今も存在するそうです

 

 

マルタやヤーンの澄んだ瞳の清々しいこと
エンデルを秘密警察に売った校長の卑しさが際立ちます
校長は我が校の勝利に拍手を送っていましたが、我が名誉の為だけなのでしょう
しかし、彼もまた当時の社会体制の被害者の一人なのかもしれませんね

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画・SUPER FOLK SONG ピア... | トップ | 山本周五郎「季節のない街」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(海外)」カテゴリの最新記事