文春文庫
2022年1月 第1刷
解説・川出正樹 少年は舞う―自らの存在意義と国の命運を賭けて
台地の上にあるため田畑を広げることが出来ず墓さえも作れない藤戸藩で、道具役(能役者)の長男として生まれた屋島剛
幼くして母を亡くし、後添えに入った女性に男子が生まれたことから嫡子としての居場所も失います
心の支えは幼い頃からの友であり能の師でもある3歳年上の岩船保
保は俊傑と評され、藤戸藩をちゃんと墓参りができる国にしたいと願っていましたが、人情沙汰を起こし切腹を命じられてしまいます
さらに、藩主が急死し、剛が身代わりとして立てられることになります
そこには、保の言葉と藩の事情がありました
大名家の「能」を扱った時代小説
目付の思惑通り、能を利用して藩の改革を推し進めようとする計画は、剛の能が素晴らしいことから予想した以上に上手く進みます
最後に、まだ16歳の剛が下した決断にはため息が出ます
保の為さんとしたことを実現させるには、それしか手が無かったとしても…何故、その若さで…
能についてかなりの頁が割かれています
全く分からない世界にて読み飛ばす箇所多し
能を知っていたらもっと剛たちの心情に寄り添えたであろうとは思いますが、分からなくてもそれなり楽しめました
本音を書けば
レベルが高くてちょい大変でした…
まあ、好みは分かれるでしょうね。
難しいというか偏執的と言うか(笑)
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/15293222.html