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吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」

2009年12月26日 | や・ら・わ行の作家
先日観た映画の原作
読んだのは今年の5月頃でした


食堂は十字路の角にぽつんとひとつ灯をともしていた
十字路には東西南北あちらこちらから風が吹きつのるので、いつでも、つむじ風がひとつ、くるりと廻っていた
くるりと廻って、都会の隅に吹きだまる砂粒を舞い上げ、そいつをまた、鋭くはじき返すように食堂の暖簾がはためいていた
暖簾に名はない
十字路にうなる風に巻き込まれた客たちの誰もが『つむじ風食堂』と少し目を細めて、そう呼ぶようになった


安食堂なのだが、あるじの心意気は『パリの裏町のビストロ』の再現
メニューブックには
コロッケはクロケット
生姜焼きはポーク・ジンジャー
鯖の塩焼きはサヴァのグリル、シシリアンソルト味
などとあってそれなりにあるじの心意気が反映されている


つむじ風食堂に集うちょっと変わった面々が織りなす物語

何日か何週間か続けて新聞の一面の下に広告が出てました
これはこれは良い本に出会えました

ファンタジーとはいえないと思うのですがファンタジーを読んだ後のような、なんとも不思議な優しさに包まれること請け合いです



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