「ある少年の告白」
原題 BOY ERASED
2018年 アメリカ
【Netflix】
アメリカの田舎町で暮らす大学生のジャレッド(ルーカス・ヘッジズ)は、牧師の父(ラッセル・クロウ)
と母(ニコール・キッドマン)のひとり息子として何不自由なく育ってきました
と母(ニコール・キッドマン)のひとり息子として何不自由なく育ってきました
彼はある出来事をきっかけに自分は同性のことが好きだと気づきます
両親は息子の告白と受け止めきれず、同性愛矯正施設への入所を勧めます
そこで目にしたプログラムは驚くべきものでした…
保守的な田舎町の牧師という立場で信仰心と社会的立場から息子を認めることができない父
夫に逆らうことはできないけれど深く息子を愛している母
そして自分を愛してくれている両親に対して申し訳なく思ってしまう息子
三者の葛藤が痛ましいです
ニコール・キッドマンが終盤で行動を起こし、ジャレッドを救い出します
母の愛は強し、です
施設を出てからニューヨークに引っ越してパートナーと暮らしているジャレットはその体験談を本に著します
本を持って父親を訪ねてきたジャレットに対し、息子を認めたい、が認めるわけにはいかない、その本心を吐露する姿は哀しくも優しい一人の父親でした
恰幅が良くなってしまったラッセル・クロウですけど、渋い声は健在です
出番は少なかったですがグザヴィエ・ドランの美形を拝めたのは嬉しかったです♪
ルーカス・ヘッジズは繊細な役を上手く演じますね
先が楽しみです
「人生のコンマ」
原題 O VENDEDOR DE SONHOS
2016年 ブラジル
【Netflix】
息子に一番を求め続けた心理学者のフリオ
家族との関係が悪化し、人生に絶望した彼は高層ビルから飛び降り自殺をしようとしています
そこに突然現れた貧しい身なりの男・メロン
夢を売っているというメロンは、死にたいと思う者にはコンマを売ると話します
コンマの続きからまた人生が始まるのだと聞いたフリオは自殺を思いとどまり彼についていくことにします
フリオの自殺を止めたことからメロンの言動が注目されるようになりネット上で彼の動画が拡散していきテレビ局から出演依頼が来るほどの人気に…
しかし、何者かが彼の命を狙っていました
彼が現在のような考え方をするようになった理由は?
少しずつ明らかになるメロンの過去
彼の考え方に救われる者がいる一方、不利益を被る者もいます
メロンの語り口は新興宗教や詐欺の集会みたく思えたりもして、半分引きながら観ました
自分を変えたフリオと息子が和解出来たのでバンザイってところかな
『約束は守るためにある』のです^^
「アヴリルと奇妙な世界」
原題 AVRIL ET LE MONDE TRUQUE
2015年 フランス、カナダ、ベルギー
【Amazon Prime Video】
1870年のフランス
若き科学者ギュスターブは、ナポレオン3世から戦争用秘密兵器として不死身薬の開発を命じられますが完成前に爆発事故で命を落としてしまいます
これによって普仏戦争が回避され、フランスの歴史は大きく変わります
時は流れ、ナポレオン5世が支配する1941年のパリ
70年もの間、優秀な科学者たち(アインシュタイン、パスツール他)が次々と失踪したため産業革命は起こらず、街は蒸気機関だけが頼りとなっていました
そんなパリで暮らす孤独な少女・アヴリル(ギュスターブのひ孫)と人間の言葉を話す飼い猫・ダーウィンは何者かに連れ去られた不老不死の血清の研究をしていた科学者の祖父ポップス(ギュスターブの子)と両親を捜す旅に出ます
アヴリルの声がマリオン・コティヤールということで鑑賞
マリオンと思うと、お世辞にも可愛いとはいえないアヴリルが魅力的な女の子に見えてくるから不思議なものです
いつもアヴリルの傍にいてピンチを救ってくれるダーウィンはウィットに富んでいてクール
ラストはそのキャラで一気に主役を持っていかれた感じです
彼が宇宙へ飛び出してからを描いたサイドストーリーがあったら観たいものです
「恐竜が教えてくれたこと」
原題 MIJN BIJZONDER RARE WEEK MET TESS
英題 MY ESTRAORDINARY SUMMER WITH TESS
2019年 オランダ
【Amazon Prime Video】
原作 アンナ・ウォルツ「ぼくとテスの秘密の七日間」
11歳のサム(ソンニ・ファンウッテレン)は、地球最後の恐竜は自分が最後だということを知っていたのか、と思い悩むような哲学的な少年です
そんなサムが夏のバカンスで家族と訪れたオランダ北部の島で出会ったテス(ヨセフィーン・アレンセン)という少女と繰り広げる秘密の計画を瑞々しく描きます
秘密の計画
子供の考えることなので大人の邪魔が入ったり段取り通りにいかないのは仕方ありません
微笑ましい2人を応援しながら楽しく観ました
でも、本作で描かれるのはそういった夏の出来事ばかりではありません
サムは、テスや島の人々との交流を通して、生きること、死ぬこと、記憶が消えること、孤独、家族の絆など様々なことを考えます
そして両親や兄もサムの成長に気づくのでした
邦題から受ける印象とは違いました
原題のほうがまだ内容に近いですが、それもどうかな?
観客にアピール出来て納得させるタイトルを決めるのは難しいですね
「象は静かに座っている」
原題 大象席地而坐
英題 AN ELEPHANT SITTING STILL
2018年 中国
【ムービープラス】
中国北部の寂れた地方都市で鬱屈した日々を送る年齢のバラバラな男女4人が2300km離れた満州里市にいる一日中座り続けている象の噂に希望を見出し、旅立つ姿を描きます
各人にフォーカスする各シーンは長回しで、台詞も動きも少なくゆったりしています
また、モノクロに近い色彩が登場人物たちの絶望や諦めを上手く表現しています
とにかく緩いので、頭のほうで無理と思う方も多いでしょう
しかし、そこを我慢して観続けていると次第に慣れてきて、234分という長尺ながら、最後まで見届けようという気持ちになる魅力(魔力?)のある作品でした
フー・ボー監督は作品完成直後自ら命を絶ったとのこと
29歳だったそうです
この施設が結構最近まで存在してたこと(まだ過去ではない?)にまず驚きでした。
ルーカス・ヘッジズが目的で見たのですが、
なかなか思いテーマでした。
https://blog.goo.ne.jp/mysketchbook/e/3e0f3e3be8d30da0ec907e8702e7dd99
ルーカス・ヘッジ君、違うキャラのも観てみたいような…。