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春日武彦「老いへの不安 歳を取りそこねる人たち」

2021年12月17日 | か行の作家


中公文庫
2019年6月 初版発行
解説・宮沢章夫
246頁

老いについて語ることは、幸福について考えることに重なる
認知症への恐れ、歳を取りそこねるために生じる恥や勘違い、若さへの見苦しい執着
一方、歳を経たがゆえの味わいとは
臨床現場や文学作品のなかに、身につまされる事例や望ましい「年寄り」の姿を探ります

序章 初老期と不安
第一章 孤独な人
第二章 鼻白む出来事
第三章 老いと勘違い
第四章 孤島としての老い
第五章 中年と老年の境目
第六章 老いと鬱屈
第七章 役割としての「年寄り」
第八章 老いを受け入れる

精神科医でもある春日さんによる本書
これまで読んできた「老い」に関する本とは違う観点から著されており目から鱗な内容ばかりで、特に驚いたのは若い人が思い描く老人というものは往々にしてステレオタイプである、という指摘です
そっちからの見方もあるのですね

元気に謙虚に若々しくありたいものです
若々しいとは、見苦しい若作りではありません
自らをよく観察し、分相応、さり気なくお洒落に暮らすことなのです



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