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佐伯一麦「草の輝き」

2010年06月16日 | さ行の作家
映画配給会社を辞め草木染の修行のために都会から山形に移り住んできた若い女性・柊子の一年を描いています

舞台となる山形、仙台
草木染
柊子が恋心を抱く離婚歴のある男性・深津、男性の友人・広瀬

本作の数々のエピソードはこれまで読んだ佐伯さんの作品と共通部分が多く
柊子のモデルは佐伯さんの奥様で、深津と広瀬のモデルは佐伯さん自身でしょう


師匠と一緒に山野に自生する草木を探して歩く日々

師匠の気まぐれや我儘に振り回されているようで、実は師匠はきちんと季節ごとの草木の状態や染色の段取りを柊子に伝えていきます

柊子はそのひとつひとつをしっかりと心のメモに書き取っていきます

師匠の口から出る、草木に纏わる民話、詩、俳句、和歌、映画

山形の自然の豊かさ、そこで真面目に暮らす人々の温かさ、強さ


柊子の生き方に迷いがなく読後はとても気持ちが穏やかになる作品でした

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