原題 怪胎
2020年 台湾
【センチュリーシネマ】
重度の潔癖症の青年ボーチン(リン・ボーホン)
家では毎日隅々まで徹底的に掃除し、外出時は防塵服、マスク、手袋が欠かせません
月に一度の買い物の日、いつものスーパーが臨時休業で仕方なく別の店に行こうと地下鉄に乗っていると、同じ車両に同じような恰好の女性・ジン(ニッキー・シエ)を見つけます
彼女も潔癖症でおまけに一日一度は万引きをしないと落ち着かない窃盗症まで持ち合わせていました
自分は誰にも理解されることなく一生独りで生きていくのだと諦めていた2人は『強迫性障害』という病を持つ共通点から一気に距離を縮め「気持ちを分かってくれる人」として心の支えとしていき「ずっとこのまま変わらない」と約束します
ところが、ある日突然ボーチンの潔癖症が消えてしまい、どちらかが死を迎えるまで永遠に続くと思われていた関係に変化が…
変わった方は外の世界で新しい人間関係を築き、変わらない方は家の中に置いてけぼりにされたまま不満が爆発、破綻を迎えます
恋人が変わってしまったらどうしますか?
潔癖症が消えた側は自分は『正常』で相手が『異常』だと言い放ちます
本作の2人は「相手を理解する」より「自分を理解してくれる」が優先してしまったが故、状況の変化に修復機能が働かなかったのかもしれません
邦題のサブタイトルからコメディタッチの恋愛ものかと思っていました
前半は確かにラブラブな2人が微笑ましかったですが、後半は重苦しかったです
全編iPhoneで撮影されたとのこと
画面の比率が正方形だったのが、あるタイミングで横長の長方形に変化します
これによって登場人物の視点が変わったことが表現されているらしくリャオ・ミンイー監督の意欲がわかります
原題の「怪胎」は「良くも悪くも人と違うところのある人」というような意味だそうです
いつものことですが邦題にはガッカリです
今月映画館に行けるのは今日しかない、ということでムビチケを持っていた山田洋次監督の「キネマの神様」と「恋の病」とどっちを選ぶか迷った末ムビチケは娘に譲りました
帰宅した娘からキネマの粗筋をたっぷり聞かされました(笑)
原田マハさんの原作とは全く違うようですが、それはそれで良かったそうです
ムビチケが無駄にならなくて良かったです!(^^)!
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