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吉村昭「桜田門外ノ変」

2018年06月11日 | や・ら・わ行の作家

 

新潮文庫
2010年10月 15刷
上巻 359頁
下巻 398頁
解説・野口武彦

 

 

幕末日本に大きな転機をもたらした桜田門外ノ変
安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は討幕運度へと変わっていく
現場の指揮者・関鉄之助を主人公に桜田事変の全貌を描き切ります

 

まるで歴史の勉強をしたかのようです
藩、国への純粋な思いからの行動ですが、関ら18名の藩士たちの末路は悲し過ぎます
もし
井伊直弼の力がもっと弱ければ
薩摩藩が水戸藩と同時に動いていたら
歴史に「たら、れば」は無意味といいますが、庶民が想像するだけなら良いでしょう?

 

襲撃現場の描写が実にリアルで生々しいです
事件後の現場に多く落ちていたのは、指、耳、鼻、大量の血
鍔迫り合いによって互いの身体が接近し指が落ち、耳、鼻が削がれたのだそうです
ドラマや映画で観る斬り合いは大きく現実離れしているのですね

 

大沢たかおさん主演で映画化されています
映画は小説の下巻、関鉄之助が脱藩のため家を抜け出すところから始まっています
上巻に詳しく描かれている井伊大老襲撃に及ぶまでのあれこれはあっさりと料理されていていますが、全て描くとなるとかなりの長尺になってしまいますので仕方のないことでしょう

 

息子に借りた「図解 よくわかる 幕末・維新」で簡単に復習しました(*^^)v

 

 

 

 

 


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