詩:谷川俊太郎
写真:荒木経惟
SKY in a PHOTO
アラーキーの写真は
モノクロか着色されています
青空なのか、曇り空なのか
雲は白いのか鉛色なのか
朝なのか夕方なのか
詩を読む読者に想像させるのでしょうか
『ほほえみ』
ほほえむことができぬから
青空は雲を浮かべる
ほほえむことができぬから
木は風にそよぐ
ほほえむことができぬから
犬は尾をふり―だが人は
ほほえむことができるのに
時としてほほえみを忘れ
ほほえむことができるから
ほほえみで人をあざむく
『無題』
光をさえぎる禍々しい雲の重なり
遠くから見ているのではなく
いっそあの中に目を瞑って潜りこんでいけば
自分が抑えつけている苦しみに遭えるかもしれない
『無題』
どんな分厚い雲の上にも
いつも青空はあるということ
どんな暗い夜にも
どこかの国の誰かの上に青空はあるということ
写真:荒木経惟
SKY in a PHOTO
アラーキーの写真は
モノクロか着色されています
青空なのか、曇り空なのか
雲は白いのか鉛色なのか
朝なのか夕方なのか
詩を読む読者に想像させるのでしょうか
『ほほえみ』
ほほえむことができぬから
青空は雲を浮かべる
ほほえむことができぬから
木は風にそよぐ
ほほえむことができぬから
犬は尾をふり―だが人は
ほほえむことができるのに
時としてほほえみを忘れ
ほほえむことができるから
ほほえみで人をあざむく
『無題』
光をさえぎる禍々しい雲の重なり
遠くから見ているのではなく
いっそあの中に目を瞑って潜りこんでいけば
自分が抑えつけている苦しみに遭えるかもしれない
『無題』
どんな分厚い雲の上にも
いつも青空はあるということ
どんな暗い夜にも
どこかの国の誰かの上に青空はあるということ
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